对樋口一叶“奇迹期”代表作的分析.pdfVIP

摘 要 纵观以往对于樋口一叶其人其文的研究，可知对于“奇迹期”单篇作品的研 究已经硕果累累，而将“奇迹期”代表作作为一个整体，探讨其关联性、一致性 和共通性的考证则并不多见。本文尝试将“奇迹期”的作品系列化。序论的部分 陈述了先行研究以及遗留的问题点，在此基础上第 2 章将“奇迹期”的三篇代表 作《大年夜》、《青梅竹马》、《十三夜》作为一个整体，从女主人公的形象、“两个 世界”的 设定、作品的批判性和局限性这三个方面入手，逐一对比分析，第 3 章 在前一章研究结果的基础上，首先分析女主角的设定与初期作品的异同，并总结 “奇迹期”女性形象的一致性；接下来从樋口一叶本人的双重身份生活经历中， 寻找三篇代表作中均出现的女主角所处“两个世界”的成因；最后从客观和主观 两个视角探求作品中现实主义批判的局限性和成因。 本文分为三章，分析樋口一叶“奇迹期”的代表作，探寻其共通点，试图解 读樋口一叶文学的最高魅力。通过本文的考察，得出了以下结论：第一、女主角 的设定存在一致性。第二、“两个世界”的成因可以从樋口一叶自身双重身份的生 活经历中找到出处。第三、“奇迹期”作品中体现出的局限性，既有社会、时代的 影响，也有作者自身立场、视点的原因。 期待通过本文，使樋口一叶的研究者及其读者能够从作者所处时代、个人经 历的角度，再次考量其文学作品的意义。 关键词：樋口一叶，奇迹期，共通点，两个世界， 局限性 I 要 旨 樋口一葉及びその作品に関する従来の研究を見てみると、「奇跡の期間」の作 品をそれぞれ個別に行った先行研究は数多く存在する。ところが、「奇跡の期間」 の代表作品全体をひとまとまりとして、その関連性や一致性、共通性などを探 求したのはほとんど見られないのである。本稿は「奇跡の期間」の代表作を系 列化しようとする試みである。序論では、先行研究と今なお残っている問題点 を述べ、第 2 章では「奇跡の期間」の『大つごもり』、『たけくらべ』、『十三夜』 の三つの代表作をひとまとまりとして、ヒロインのイメージ、「二つの世界」の 設定、作品の批判性と限界性について、対照しながら逐一に分析する。第 3 章 は前章分析の結果を踏まえて、まず女性主人公の設定に関して、「奇跡の期間」 の作品と初期作品の異同、及び「奇跡の期間」の女性像の一致性を追求した。 続いてどの作品にも見られる「二つの世界」の設定について、作家自身の二重 身分の生活経験の角度からその成因を探求した。最後に客観と主観の二つの視 点から批判の限界性の成因を求めた。 本稿は 3 章にわたって、「奇跡の期間」の代表作を分析して、共通点を探求し、 一葉文学の最高の魅力を解き明かしたい。本稿の考察を通して、次のような結 論が得られるかと思う。その一、女性主人公の設定には一致性が見られる。そ の二、「二つの世界」の成因が一葉自身の二重身分の生活経験という角度から説 明できる。その三、「奇跡の期間」の作品に見られる限界性の原因は社会、時代 にもあるが、作者自身の立場、視点にもある。 本論を通して、樋口一葉の研究者、愛読者に一葉が登場した時代、経験から もう一度一葉の文学の意味を考えていただきたく、そのように望んでいる。 キーワード：樋口一葉；奇跡の期間；共通点；二つの世界；限界性 II 目 次 摘要 II 要旨III 第 1 章 序論 1 1.1 はじめに 1 1.2 先行研究 1 1.3 問題点と研究目的 2 第 2 章 『大つごもり』『たけくらべ』『十三夜』についての分析3 2.1 『大つごもり』についての分析3 2.1.1 お峯の下女イメージ 3 2.1.2 「二つの世界」4 2.1.3 リアリズム要素と不足6 2.1.4 下女から遊女へ 9 2.2 『たけくらべ』についての分析10 2.2.1 吉原少女美登利のイメージ10