《山月记》和《狼灾记》中变形比较研究.pdfVIP

  摘 要 《山月记》是昭和时期日本作家中岛敦的代表作之一。《狼灾记》是日本著名作家 井上靖写的唯一的描写变形的小说。两部作品同是写变形的小说，并且拥有着相似的轮 廓。《山月记》登载于1942年2月，而《狼灾记》发表于1961年8月。井上靖在知道 存在先行作品《山月记》的情况下，写了相似的作品《狼灾记》。因此，笔者以两部作 品的文本为中心，通过对比的方法，对两部作品中的变形进行了比较分析，探明了作品 中变形的深层寓意。 本稿首先详细分析了跟变形有关的文本。从变形主体，变形原因，变形后的样子及 结果三个方面对两部作品的变形过程进行了分析。指出两部作品的变形主体同是平凡孤 独的人物，在外部世界的异化这一外因的推动下，变形成了力量强大的猛兽。但《山月 记》中的李征是个胆小的空想家，在过度的自我之爱这一内因作用下，以一种不完全的 变形姿态，陷入了永久的痛苦之中。而《狼灾记》中的陆沈康是一个勇敢的行动者，他 变形的内因是对他人纯粹的爱，他是一种完全的变形，其结果是超越了世俗，获得自由。 其次，在前面分析的基础上，结合作家的成长经历、时代背景等因素探明了两部作 品的变形的深层寓意。 《山月记》中，变形为虎是一种对“恶”的惩罚，象征着主人公的自我丧失后，作 家的自我实现。与此相对，《狼灾记》中，狼是“美”的象征，代表着向人类本源的回 归。两部作品都体现了作家追求或守护自己所爱的愿望。但《山月记》是一个追求自己 所爱时没有采取专注的态度而失败的负面例子，而《狼灾记》是一个专注纯粹地守护自 己所爱，因而最后超越世俗获得自由与幸福的正面的例子。不管是在变形主体，变形原 因，变形结果上，还是在寓意上《山月记》都是负面的，而《狼灾记》有上述方面相对 来说比较正面，因此《狼灾记》比《山月记》更具有积极正面的意义。 关键词：山月记，狼灾记，中岛敦，井上靖，变形 II   要 旨 『山月記』は昭和時期に活躍していた日本作家である中島敦の代表作の一つである。 『狼災記』は日本の名高い作家である井上靖が書いた唯一の変身を基にした小説であ る。二つの作品とも変身についての小説であり、近似した輪郭を持っている。『山月 記』が掲載されたのは、1942 年 2 月であった。それに対して、『狼災記』が発表され たのは、1961年8月であった。井上氏は先行の名作『山月記』を知っていたにもかか わらず、あえてよく近似した『狼災記』を書いた。そこで、筆者はこの二作のテクス トを中心にして、対比を行い、作品における変身について分析し、変身の深層寓意を 解明した。 本稿はまず、両作品の変身に関するテキストを詳しく分析してきた。変身の主体、 変身の原因、変身後の姿と結果という三つの面から両作品の変身を比較的に分析して きた。両作の主人公たちはともに孤独で平凡な人間と造型され、外部現実世界の疎外 という外因によって変身の道に押し進められ、力強いの猛獣になったが、『山月記』 における李徴は臆病な空想家であり、過度な「自己愛」という内因のために、不完全 な変身の姿で、永久の苦しみの中に落ちた。それに対して、陸沈康は勇敢な行動者で あり、他者に対する深い愛を内因として、完全な変身の姿で、俗世を越え、自由を得 た。 次は、前の分析を踏まえ、両作品における「変身」の深層寓意を明らかにした。 『山月記』では虎への変身は「悪」への懲罰で、主人公自我喪失後の作家実現を象 徴している。それに対して、『狼災記』では、狼は「美」のシンボルで、人間本源へ の戻りを象徴する。また、二つの作品にも愛するものを追求する、あるいは守るとい