建築施工実習Ⅱ.PDFVIP

　建築施工実習Ⅱ 1 ページ １．建築生産（建物を建設する）のプロセス 　１）企画 　　・発注者が目的とする建物の用途・場所・規模・機能・工期と事業資金・採算などを検討し、計画を定める。 　　　（建設地の選定、手当てなどを含むこともある。） 　２）設計 　　・設計者が企画と関係法令に従い建物の配置・平面計画・外観・内部仕上げ・構造・設備・外構計画等を 　　　決定し設計図書を作成する。　（施工者が設計する場合もある。（例）大手ゼネコン、住宅メーカー等） 　３）発注 　　・設計者が作成した設計図書によって、施工者から見積書を徴集し発注するが、以下の施工者の選定 　　　方法が考えられる。 　　①　競争入札 主として公共工事で行われる。同時に見積金額（入札書）を提出し、一番低価格の 施工者に発注する。 ・指名競争入札　：　発注者が工事に適した建設会社を選んで指名し、入札させる。 ・公募型入札　：　発注者が工事内容・入札条件などを公表した上で参加希望者を　 　　　　　　　　　　　募集し、その中から工事に適した会社を選び入札させる。 ・その他　　・提案型競争入札　・総合評価方式等もある。 　 　　②　見積合わせ 受注希望者数社に見積を依頼し、その内容を検討し、協議の上発注する。 民間企業で行われる事が多い。 　　③　特命 発注先を決めて見積を依頼し、協議の上発注する。 住宅等の小規模工事、民間大手企業とゼネコンで行われる事が多い。 　４）契約 　　・発注者は３）によって決定した施工者と契約して工事を発注する。契約の内容は、入札書・設計図書に 　　　よる。また施工の形態・工事費の扱い方等の違いにより以下のような請負契約の方式がある。 　　[ 施工の形態 ] 　　①単独請負：発注者と施工者が一対一で契約する。 　　②共同請負（JV　ｼﾞｮｲﾝﾄ･ﾍﾞﾝﾁｬｰ)：複数の建設会社が共同して、共同企業体を結成して請負う。 　　　　大規模工事や技術難度の高い工事で採用されることが多い。 　　③分割請負：複数の施工者が工事を分割して請負う。（例）建築工事・設備工事を分割して契約する。 　　　　大規模工事や公共工事に多い。 　　[工事費の扱い方 ] 　　④定額請負：工事全体の総額を決めて契約する。 　　⑤単価請負：工事材料ごとの単価を決めて契約し、実際にかかった工事量で精算する方式。 　　⑥実費精算請負：工事に要した実費を出来高に応じて一定の工程ごとに支払う方式。 2 ページ ２．建築施工の流れ 　１）建築生産に関わる人達 　　①発注者（施主）：建設資金を提供する 　　②企画者：敷地や資金、建物の採算性などを多方面から検討立案する。（住宅等では発注者と同じ個人）　 　　③設計者：発注者の要望を具体化した企画をもとに、法律や規制を守りながら、建物の図面を描く。 　　④施工者：設計図書をもとに建物を建設する 　　⑤工事監理者：工事が適切に施工されていることを確認・検査する。（通常は設計者が兼ねることが多い） 　２）施工計画・施工管理方針　：施工管理の５大要素 　　①工事の品質を高める（Quality) Q より良く 　　②原価を圧縮する（Cost) C より安く 　　③工程を守る（Delivery) D より早く 　 発注者が満足する建物 　　④安全を確保する（Safety) S より安全に 　　⑤環境に配慮する（Enviroment) E 環境に配慮 　３）施工計画書（施工要領書）・施工計画図 　　①施工計画書（要領書） ・工事別の工法計画 　　仮設物や機械・工具の配置、作業労務者の人数、資材の 施工計画図に図面化 　　数量と搬入方法ならびに時期、施工順序、工区分割、等 ・品質管理・安全衛生面での計画も書き表す。 　　②施工計画図