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表のデータをグラフでうまくまとめる 実験や計算の後、結果を表にまとめて示しますが、表だけで今一つ判りにくいので、さらに見易 くするために、これらをグラフで表わす場合があります。その場合、横軸や縦軸のスケールが何桁 にも及ぶ場合通常の真数（実数）表示ではなかなか難しく、ちょっとした工夫が必要です。うまく工 夫すれば、そのグラフ1 枚でデータの全てを説明してくれる優れた図が出来上がる場合がありま す。 このサイトで使っている図の作成方法をExcel （エクセル）を使って紹介しましょう。下の表のよう に、「世界人口の推移」と本書でも扱っている「動物の体重と必要カロリーとの関係」をグラフ化し てみることにしましょう。 世界人口の推移（単位：億人） 1950 1960 1975 1990 2000 2003 25 30 40 50 60 63 動物の体重と必要カロリーとの関係 基礎代謝 動物 体重(kg) 活動（kcal） 全体(kcal） (kcal） Ａ 0.06 12 1.2 13.2 Ｂ 60 1200 1200 2400 Ｃ 6000 25800 120000 145800 ■ 世界人口の推移 まず、最初に「世界人口の推移」をグラフにしてみましょう。Excel の「グラフ（Ｃ）」の「散布図」を利 用し、縦軸も横軸も真数（実数）でデータのみをプロットすれば図1 が得られます。 グラフは、右 肩上がりのようにも見えますが、その傾向ははっきりしません。 1 そこで、縦軸のみを対数目盛表示にしてみましょう。 これには、対数目盛にしたい軸の数値を「右クリック」します。「軸の書式設定（O）」が表示される ので、これをクリックしメニューの「目盛」を選びます。画面の下の方に「対数目盛を表示する（Ｌ）」 があるので、これにチェックを入れると出来上がりです（図２）。 データの各点がほぼ直線に乗ってきました。そこで図３のように縦軸の範囲を調整しましょう。大 分見やすくなりました。 2 若干の調整をしてどれか点をクリックして、「近似式の追加（R）」を選択し「種類」タグ内の「近似 または回帰の種類」の「指数近似」を選びます。これで近似曲線が描画されますが、さらに、近似 曲線の「オプション」を使うことで前方や後方への外挿による予測ラインも引くことができます。 必要があれば、オプションから「グラフに数式を表示」にチェックを入れると、最小二乗法による 近似曲線の式も図４のように表示できます。 うまくまとまりましたが、このように横軸が真数目盛、縦軸が対数目盛のものを片（かた）対数目 盛といいます。 さて、うまくまとまった理由を考えてみましょう。 図中に表示されている式は ・・・（１） の型をしています。 の両辺のlog （ログ：対数）をとります。 3 ここで、 、 、 とおけば、上の式は次のように表わすことが出来ます。 つまり、縦軸をlog （対数）表示にすれば、傾きがA、切片がB で表される、中学校でもおなじみの 簡単な直線（一次関数）に早変わりです。このようにグラフ表示ができれば、計算結果が持つ傾向 を簡単に読み取ることができるというわけです。 ■動物の体重と必要カロリーとの関係 次に、「動物の体重と必要カロリーとの関係」をグラフ表示してみましょう。 まず、縦軸、横軸とも真数表示にしてみます。 図5 では3 点ありま