川端康成《雪国》.pptVIP

国境の長いトンネルを抜けると雪国があった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。 1899年（明32）6月14日～1972年（昭47）4月16日 大阪生まれ。東京帝国大学文学部英文学科に入学したが、のちに国文学科へ移り、一年延期して同科卒業。（卒業論文：日本小説史小論） 1927年、大学を卒業し、その三年後に結婚同然の形で夫人と同棲。（入籍はその四年後の１９３１年となる）。結婚生活を送っているうちに、川端は文壇に活躍し、「伊豆の踊り子」、「雪国」、「古都」などの名作を次々と発表。 1944年、「夕日」などにより菊池寛賞を受賞。このころ三島由紀夫が持参した「煙草」を激賞する。三島由紀夫を文壇デビューさせた師的存在となる。 1968年（昭43年）12月には、日本のノーベル文学賞受賞者となる。「日本人の心情の本質を描いた、非常に繊細な表現による彼の叙述の卓越さ」というのが受賞の理由とされている。 1957年（昭32）に東京で開催された国際ペンクラブ大会では、主催国の会長として活躍。 1962年（昭37）、世界平和アピール委員会に参加。 1963年（昭38）、日本近代文学館の監事となる。 1968年（昭43）、日本初のノーベル賞受賞者。 1970年（昭45）、台北のアジア作家会議、ソウルの国際ペンクラブ大会に出席。日本近代文学館の名誉館長にも就任。（この頃から作品の発表数は激減した。ノーベル賞の受賞が重圧になったといわれている。） 1972年（昭47）4月16日、マンションの仕事部屋で死亡しているのが発見された。享年72。 1973年（昭48）、財団法人川端康成記念会によって川端康成文学賞が作られ、1985年（昭60）には茨木市立川端康成文学館が開館した。（茨木市名誉市民にもなっている。） 前述したように、茨木市出身であった川端は、数々の日本文学史に輝く名作を遺し、近現代文学の頂点に立つ作家の一人である。　茨木の名誉市民にもなっている。 《都市伝説》 府立茨木中学にダントツの首席で入学し、近隣からは神童とさわがれたとされている。 ↓↓↓ 随筆等に書かれているように、入学後まもなく川端の興味関心は芸術や大人の世界に向き始め、学校での勉学については二の次となった。現存する中学の卒業成績表によると、作文の成績が53点で全生徒88名中の86番目の成績であった。 川端は1972年、マンションの仕事部屋で就寝したまま、ガス中毒で亡くなった。（ガス自殺） （１）　以前より睡眠薬を常用していたため、錠剤誤算で致死量を飲むはずがない。（睡眠薬の常用は深夜に執筆を集中して行うことが多い作家では、珍しいことではない。） （２）　遺書はない。 （３）　川端が信頼を寄せたペンクラブ副会長の芹沢光治良は自殺ではないと主張。また、前後して川端と対面した複数の関係者の証言では、自殺死を匂わせるような徴候はまったくなかったという。 自殺に関する憶測 ◎　交遊の深かった三島由紀夫の切腹自殺。←→大きな衝撃を受けたとされるが、日時の隔たりがある。（17ヶ月の差） ◎　都知事選に担ぎ出されことへの羞恥。←→立候補に至らず、政治に関心があったという形跡もない。 ◎　老い(創作意欲の減少）への恐怖などによる強度の精神的動揺。←→あくまでも文芸評論家の解釈にすぎず、具体的な証明はない。 ↓↓↓ 信頼されている説 ※　長年雇っていた家事手伝いが辞めたため、ふだん自ら操作することのなかった暖房器具の使用ミスによるもの。　（現場：ガスストーぷの未燃焼ガスが部屋に充満していた） 島村：親の遺産で無為な生活を送っている。西洋舞踊の批評やフランス文学の翻訳などをして「文筆家の端くれ」。妻子あり。 駒子：東京でお酌をしていて旦那に落籍されたが、まもなく旦那が亡くなり、故郷に戻る。行男という許婚者（？）がおり、彼の医薬代やり繰りのため、島村と初めて会った直後に芸者に出た。 葉子：駒子の住む温泉街の娘で、駒子の許婚者（？）行男の新しい愛人（？）。東京へ出て看護婦を目指したこともある。 行男：駒子の踊りの師匠の息子。駒子の許婚者（？）。重い病気のゆえ、葉子の看病の付き添いで故郷に戻る。 12月始め、主人公の島村は鉄道で雪国に向かい、汽車の中で病人らしい男と一緒にいる娘（葉子）に出会い、その純粋なる看病の姿に興味に引かれる。島村が降りた駅で、その二人も降りた。 駒子こそ、島村を雪国へ誘った女である。島村が駒子と初めて出会ったのは、これより半年ほど前の五月のことだった。 その際、島村は始めてこの雪国に訪れ、温泉場に宿していた。芸者を呼ぼうとしたが、ちょうど皆で払っているという。そこへ、宿主の勧めたまま、三味線と踊りの師匠の