第23课华道.docVIP

第23課　華道 キーワード：持ち込む　道理で　敷居の高い　好きこそモノの上手なれ 会話１ 伊藤：わあ、素敵な花。 金井：私が生けてみたのよ。伊藤さん、もし気に入ったら、お家に持ち帰っていいけど。 伊藤：まあ、嬉しい。家の玄関に飾っておくわ。 金井：生け花は室内を飾るよりは自然を室内に持ち込むって先生は言ってたわよ。 伊藤：金井さんはお花のことをよく知っているね。感心しちゃうわ。 金井：実は生け花教室に通っているの。もう半年以上になるけど。 伊藤：道理で詳しいわけね。私も花が大好きだから、金井さんのようになりたいな。 金井：一緒に勉強したら？ 伊藤：でも、生け花教室というと、敷居の高い習い事のような気がするけど。 金井：好きこそモノの上手なれって言うから、伊藤さんなら、大丈夫よ。 伊藤：自分の庭の花を室内でも楽しめるわ。思うだけでわくわくしちゃう。 問1：ｄ 問2：ｂ　　A　金井さんは伊藤さんに生け花を教えています。 B　金井さんは生け花が上手です。 C　金井さんは生け花を勉強したことがありません。 D　金井さんは生け花にあまり興味を持っていません。 キーワード：鋏　根元　斜め　吸い上げ　花器　剣山　留める 会話２ 李　　：ゆかり、何してるの？ ゆかり：あっ、今、生け花の支度を。 李　　：ええ、生け花か、すごい。私も習いたいから、教えて。 ゆかり：まず鋏で花と枝の根元を切るのよ。 李　　：野菜と果物と同じように切ればいいでしょう。 ゆかり：花はまっすぐ切るけど、根元は斜めに切るの。 李　　：それはどうして？ ゆかり：水の吸い上げがよくなるから。しかも、空気が入るのを防ぐために、水の中で切るのよ。 李　　：あっ、分かったわ。それから？ ゆかり：後は花器にあわせて空間のバランスを取りながら、剣山に留めていく。 李　　：私は、ぜひ生け方を覚えて、中国に帰って家族のためにやってあげたいわ。 ゆかり：じゃ、さっそくやってみよう。 問1：a 問2：ｂ／ｄ　　A　花をそのまま水に入れます。 B　根元を斜めに切って、剣山に留めます。 C　李さんは花を生けるようになって、日本にいる家族を喜ばせようと思っています。 D　水の中で根元を切るのは空気が入るのを防ぐためです。 キーワード：真剣　稽古　器　瓶花　盛花　縦方向　鉢　配置 会話３ 桂：林さん、真剣な顔をして、何を考えているのかしら。 林：あっ、桂さん！ちょうどいいところへきてくれた。 桂：何か用があるの。 林：実は生け花の稽古をしているけど、どんな器にしようかって迷っているの。 桂：そうなの。一口に生け花と言っても実際には多くの種類があるのよ。代表的な様式は瓶花と盛花の二つ。 林：どう違うの？ 桂：瓶花は背の高い花瓶を使って、縦方向に花を生ける様式で、盛花は低くて浅い鉢を使うのよ。とにかく花の材料や長さによって決まるの。 林：花屋からこんな花を買ってきたけど。 桂：これなら、盛花のほうがいいんじゃない。 林：でも、この一本は結構長いと思うけど。 桂：その長さなら、上の段にぴったりだわ。これを真ん中にして、短い二本は下に配置したらいいでしょう。 林：うん、そうね。どうもありがとう。 問1：ｃ 問2：ｂ　　A　林さんは花瓶を選んで花を生ける練習をしています。 B　桂さんは林さんに盛花にすることを提案しました。 C　短い花は瓶花にふさわしいです。 D　盛花は高い花瓶を使います。 キーワード：咲き乱れる　供える　鑑賞　生気　根底　蘇る　造形　宇宙観　金属板 固定　吸水面　吸水力 文章　 日本は自然環境の美しい国で、四季折々の花が咲き乱れています。こうした恵まれた自然の中で生活してきた日本人は草花に対して、深い親しみを持ち続けてきました。そのために、日本人は草花を神や仏に供えるだけでなく、鑑賞の対象として日常生活の中にも取り入れてきました。それが16世紀ごろから盛んになり、次第に人間が自然と心を通わせる伝統的な芸術の一つへと発展しました。 　華道は生け花とも呼ばれています。生け花は自然に生きる草花を切り取ってきて、家の中の器に入れ、改めて生気を与えて飾る芸術です。その根底には、切り取った花を生かし、再びその生命を蘇らせるという意識があります。生け花の造形は自然との調和を求めるという日本人の宇宙観を表現するものです。つまり、天?地?人の三本の枝を使って、天は上段、地は下段、天地の調和を保つ人は中段に配置し、バランスよく形を整えます。一般的な様式としては、花器に水を入れ、金属板にたくさんの太い針が並んだ剣山で花を固定して生けます。花を長持ちさせるために、いろいろな工夫がなされています。例えば、草花が水を吸い上げる力が強くなるように、水の中で草花の根元を切り落としたり、吸水面が大きくなるように、切り口を斜めに