成果报告书 (様式3) .doc

酸処理したHydrotalciteによる酸吸着膜のXAFSによる局所構造解析 Norikazu Nishiyamaa, Yuichiro Hiorotaa, Korekazu Ueyamaa, Koji Nakanishib, Toshiaki Ohtab a大阪大学大学院基礎工学研究科, b立命館大学SRセンター aGraduate School of Engineering Science, Osaka University, bThe SR Center, Ritsumeikan University ハイドロタルサイト HT を硝酸によって分解?乾燥?焼成して作製したHT分解膜は元のHTに比べ、高いCO2吸着能を示す。この酸吸着膜の吸着能と構造との関係を調べるため、主な構成成分であるMg、AlのK吸収端XANES測定を行い、その局所構造解析を行った。この結果、焼成前後でAl原子の局所構造はあまり大きく変化しなかったが、Mg原子は焼成前後で-OHの6配位の局所構造から-Oの6配位の局所構造に変化することがわかった。（5行程度） An acid-dissolved hydrotalcite HT membrane, dissolved in nitric acid, then dried and calcined, shows a higher adsorption capability to CO2 than the original HT. To investigate the relationship between the structure and the adsorption capability, Mg and Al K-edge XANES measurements were performed. As a result, it is revealed that the local structure around Al atoms does not change, but that of Mg atoms changes from the octahedrally coordinated –OH to that coordinated with –O.　（5行程度） Keywords: hydrotalcite, Mg K-XANES, Al K-XANES, CO2 adsorption 背景と研究目的：　二酸化炭素に代表される温室効果ガスの排出は1997年の京都議定書のなどでも知られるように、全地球規模で改善に取り組むべき問題である。温室効果ガスの吸着剤への固定化 貯留 はこの問題を改善する一つの方法であり、また、産業界では不純ガスの吸着による高純度化や天然ガスの選択的ガス分離方法などでも用いられている。 ハイドロタルサイト HT は酸性ガスの吸着剤として期待される固体材料である。われわれはHTを硝酸により分解した後、多孔質材料上へ塗布したHT分解膜を作製した。このHT分解膜にCO2を吸着させたところ、成膜しただけでは吸着能は元のHTよりも低いが、焼成することで元のHTよりも高い吸着能を持った酸吸着膜が得られた。このHT分解膜の構造と吸着能との関係性を明らかにするためにXAFS測定により、局所構造解析をおこなった。 実験：　HT分解膜試料は下記の手順で合成した。 1 HT粉末 0.8g と5N硝酸 0.15g を混合。 2 10wt%のTPAB（テトラプロピルアンモニ ウムブロミド）溶液 0.1g を混合。 3 基板上にスピンコート 2000 rpm×1 min 。 4 4N NaOH溶液を試料上に塗布しスピンコート 2000 rpm×1 min 。 5 393 Kで1時間乾燥。 6 再度 3 ～ 5 の処理を行う。 →’DHT膜’ 7 DHT試料を773 Kで焼成。 →’CDHT膜’ なお、XAFS測定においてチャージアップを緩和するために基板にはSiウエハーを用いた。 立命館大学SRセンター BL-10にて、HT、およびHT分解膜の主な構成成分であるMg、AlのK吸収端XANES測定をおこなった。分光結晶はKTP 011 を用い、測定モードは試料電流による全電子収量 TEY にて行われた。　　 結果、および、考察：　Fig. 1、2にMg、Al K吸収端XANES測定の結果を示す。HTのAl、Mg原子はともに-OHが6配位の局所構造である。そのためピーク強度比は若干異なるがMg、Alの両スペクトルの形状は比較的似ている。 Mg K吸収端において、MgOのMg原子は-Oが6配位の局所構造である。最近接は同じ酸素原子であるが、そのスペクトル形状はHTとは大きく異な