认定看护师 癌のプロセスと治疗 その3 小林正伸.docVIP

認定看護師　癌のプロセスと治療　その３　　　　　　　　　　小林正伸 がんの転移 １．転移の分類 　形式による分類 　　血行性転移　　　肝臓　肺　骨　副腎　脳など 　　リンパ行性転移　所属リンパ節 　　体腔内播種　がん性腹膜炎、がん性胸膜炎 　　　　　　　　 大腸癌の転移は、血行性転移、リンパ行性転移、腹膜播種がある。血行性転移は肝臓に始まり、ついで肺に転移し、最後に全身に広がる。 肺転移の例（X線写真とCT：スライド） 肝転移の例（スライド） 脳転移（スライド） 骨転移の例 　　　 循環血液中の癌細胞の検出 　　 循環血液中の癌細胞の予後に及ぼす影響 　　　 体腔内播種の例 ２．癌細胞には好みの臓器がある？（臓器嗜好性） 　　　　　 　消化管の癌の肝転移メカニズム 　　　　 何のためにこのような血流が必要だったのか？ 理由を考えてみてください！！ 　臓器嗜好性が生まれるメカニズム（可能性） 　　　　 臓器嗜好性があるということは、血管内にはいった癌細胞の一部がたまたまひっかかった臓器で増殖するのが転移であると考えるランダム転移仮説を否定するデーターである。むしろ、癌細胞は何らかの機序で特異的にある臓器に好んで転移することを示唆する。 ３．癌の転移ステップ 　　癌の転移は、原発巣内での転移クローンの誕生、血管内への侵入、標的臓器の血管への接着、血管外への 侵出、標的臓器での増殖など多段階のステップを完遂する必要があると考えられている。 １）転移に必要なステップに働く因子 　　１．血管新生 　　　１）血管新生因子 　　　２）血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞 　　　３）遊走能、遊走因子、接着因子 ２．血管内への侵入 　　　１）遊走能、遊走因子、接着因子 　　　２）コラゲナーゼなどプロテアーゼ ３．標的臓器の血管内皮細胞への接着 　　　１）接着因子 　　　２）接着因子の活性化因子（サイトカインなど） ４．血管外への侵出 　　　１）遊走能、遊走因子、接着因子 　　　２）コラゲナーゼなどプロテアーゼ ５．標的臓器での増殖 　　　１）増殖因子 ２）抗アポトーシス因子 　２）血管新生 　　　血管新生のスイッチ 　　　 血管新生の各ステップに働く因子 　　　 血管新生のスイッチが入るメカニズム 低酸素誘導遺伝子群 　　　腫瘍血管の特徴 　４）原発巣からの離脱と血管内への侵入 　　 　　　　癌細胞が血管内へ侵入するためには、癌細胞が1個1個遊離することがまず必要とされている。 　　　　ばらばらとなった癌細胞が血管内へ遊走して侵入すると考えられている。 　　がん細胞同士の背着に働く機構 　　　 このカドヘリン?カテニン系ががん細胞同士の接着に重要であることは、E-cadherinの発現低下によって癌細胞が原発巣から離脱しやすくなり、その結果転移が起こるとする多くの報告から想像できる。 　　細胞が動くとは？ 　　 　　HGF-METの働き 　　　　　　 　　遊走因子による癌細胞の運動促進 　　　　 　５）標的臓器の血管内皮細胞への接着に関与する因子 　　　①接着因子 　　　②接着因子の活性化 　　　　血管内皮細胞への接着過程 　　　　 接着は、スピードを落とすためのRollingステップ（接着因子セレクチンが関与）、癌細胞側の接着因 子の活性化（ケモカインやサイトカイン）、強固な接着の３ステップを経て最後の侵出にいたる。 　　接着因子Sialyl Le a/x の発現（低酸素の影響） 　　　 　６）血管外への侵出の関与する因子 　　　①遊走能、遊走因子、接着因子 　　　②コラゲナーゼなどプロテアーゼ 　　腫瘍細胞の血管外への脱出機構 　　　　 　　　以上のような特異的な過程を経て初めて転移が完成するということは、転移臓器の嗜好性と合わせると、 転移が特異的な機構であって、ランダムな偶然に支配されるような過程ではないと考えられる。 　４．転移の効率は良いのか？ 　　　①腎細胞がんの手術直前の患者１１人から血液サンプルを採取して、血液中の癌細胞数を検討した成績によると、１日あたり107-109個くらい放出されていると推定している。（Graves et al., 1988） ②悪性腹水のために腹壁静脈シャント術を行った患者でも、血中への多数の癌細胞の放出はあるものの、転移形成は増加しないと報告されている。 ③動物実験で、癌細胞を尾静脈より105個注入しても１０?１００個の肺転移巣が認められるにすぎない。（0.01-0.1%） こうした転移の非効率性の一因として免疫学的排除機構の働きが考えられている。 　５．転移巣のがん細胞は原発巣の癌細胞より悪性の形質（転移能）を示すのか？ 　　　転移巣から取った細胞が、一