政策分析技法入門第9講（2001年6月7日）.docVIP

政策分析技法入門　第11講　（2001年６月21日） 第11講　連立方程式と行列?行列式３―――産業連関分析 （１）講義の目的 産業連関表、レオンティエフ（Leontief）の基本方程式について理解すること。 　２）産業連関表を利用した政策分析事例 （２）産業連関表について　（1985年、実質、単位：10億円） 　 　タテ：投入構造を示す 　　第一次産業　「国内生産」　19,671（10億円）　を生産 　　　　　?　生産 　 　　　＜中間投入物＞ 　　　　第一次産業から2,104（10億円）（例：家畜を育てるための飼料の購入 　　　　第二次産業から4,387（10億円）（例：農作物を育てるための科学肥料） 　　　　第三次産業から2,348（10億円）（例：肥料などを運ぶ運送サービス） 　　　＜付加価値＞ 　　　　労働力の対価＝賃金 　　　　資本ストックの対価＝営業余剰 　ヨコ：需要構造を示す 　　第一次産業　「国内生産」　　19,671（10億円） 　　　　　　　　　輸入　　　　17,096（10億円） 　　　　　　　　　合計　　　　36,767（10億円）の需要がある。 　　　　　　　これは、「中間需要」と「最終需要」の合計に等しい。 　　　＜中間需要＞ 　　　　第二次産業が28,698（10億円）を購入（例：加工食品製造のための原材料購入） 　　　　各産業が各産業から製品の製造のために購入＝中間需要 　　　＜最終需要＞　消費と投資 　　　　民間最終消費　　　民間で消費される分 　　　　政府最終消費支出　 　　　　公的固定資本形成　政府が行なう投資、公共投資など 　　　　民間固定資本形成　民間設備投資＋民間住宅投資 投入係数表 　　中間投入の各項目をその産業の国内生産額で割ったもの 　　各産業で財を１単位生産するために必要となる中間投入物の購入量がわかる 　　　中間投入が大きい…原材料が多く必要 　　　中間投入が少ない…労働力が多く必要（労働集約的） （３）レオンティエフ（Leontief）の基本方程式 中間需要 農林水産業 工業 最終需要 総生産額 中間投入 農林水産業 120 816 64 1000 工業 750 850 100 1700 付加価値 130 34 総生産額 1000 1700 　　投入係数行列は、 　　そして、総生産額（のベクトル）は、 　　　　　　最終需要（のベクトル）は、 　　そうすると、次の等式が成り立つ。 　　　 　　これを用いると、逆に最終需要の量から総生産を求めることができる。 　　　 　　したがって、 （４）産業連関表の応用例 　　　投資を行なうことでどれだけの生産誘発効果があるかがわかり、政策評価の１つの 　　基準とすることができる。 　　　産業連関表は、「総務省統計局」ホームページ、「統計データ」のページからダウン 　　ロードすることができる。 演習問題＜第11講＞ 　　中間投入係数が以下のように示されている。このとき、第１財部門及び、第２財部門 　の最終需要がそれぞれ、55、450であったとすれば、両財の総生産高はいくらか。 第１財部門 第２財部門 第１財部門 0.125 0.1 第２財部門 0.15 0.6 ＜解答＞ 　　投入係数行列は、、最終需要（のベクトル）は、 　　総生産額（のベクトル）を X とすれば、AX = X – c であり、 　　 　　　 　　したがって、 　　　 　　以上より、第１財部門の総生産高は200、第２財部門の総生産高は1200である。 政策分析技法入門 2001/ 6/ 21 4