社会科（地理的分野）学習指導案.docVIP

社会科（地理的分野）学習指導案 研究主題　 　　　　　小中の系統を踏まえた社会科学習の創造 　　　　　　　―地理的?歴史的内容において―　 研究仮説 ①小中社会科の系統を踏まえて、②それぞれのねらいに即した内容構成の工夫や、③思考力を高める問題解決学習を行えば、④児童?生徒の社会認識を深めるとともに公民的資質の基礎を高めることができる。 　　　　　　　　　　　　　平成１８年３月３日（金） 　　　　　　　　　　　　　熊本市立白川中学校 社会科（地理的分野）学習指導案 日　　　時　平成１８年３月３日（金）５校時 指導導学級　２年２組　男子２０名　女子１６名　計３６名 場　　　所　熊本市立白川中学校　２年２組教室 指　導　者　教諭　米村　均 １　単元名　「日本の人々のくらし」 ２　単元について　 単元観 本単元は、我が国の地域的特色を生活?文化の面から追求し?理解させることに主なねらいがある? 我々日本人は、世界的視野から見て?比較的ものの豊かな中で生活をしている。また、近代化や国際化の進展などで、伝統的な生活?文化は変容してきている?日本人は、外国や他地域から入ってきた生活?文化を日本の環境条件に対応させて取り入れてきた。近年は、国内での生活?文化に関して地域による差異が次第になくなりつつあるが、一方で、各地に特色ある生活?文化がみられる。 このような観点で沖縄を捉えると、琉球王国時代に中国の影響下で発展した独自の文化を、現代にまで継承しつつ、薩摩藩による支配と、琉球処分後は明治中央政府の下で日本に組み込まれた沖縄が見えてくる。さらに沖縄は、第２次世界大戦の激戦から、アメリカ軍の直接支配を受け、復帰後も基地問題を始め様々な生活の課題を抱えている。 また、地理的分野の目標（３）には、「～日本や世界の諸地域を比較し、関連付けて考察し?」とあり、「各地の特色には地方的特殊性と一般的共通性があること、また、それらは諸条件の変化などに伴って変容していることを理解させる。」となっている。 以上のことから、本単元「日本人のくらし」のなかで、「沖縄」を取り扱うことは、我が国の地域的特色を、地方的特殊性と一般的共通性があることを含めて理解させ、単元のねらいを達成するのに適している? 系統観 　小学校社会科では、第５学年において、「国土の位置、地形や気候の概要、気候条件から見て?特色ある地域の人々の生活」を扱い、「国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連を持っていることを考えるようにする。」となっている。人々の生活や産業に影響を与えている条件として、国土の位置、地形や気候を中心に扱うものである。一方、中学校社会科地理的分野の学習では、日本の人々のくらしを多面的?多角的に考察し、一面的な考察?判断に陥らず、「公正な判断を」おこなうねらいがある。 生徒観（アンケート実施日　平成１８年２月１６日）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 普段の授業では、数名の男子を中心に、活発な意見が飛び交うクラスである?定期テスト等の結果からは、発表の様子に比べ、知識の定着という点で課題が残っていた。最近は、その改善が見られ、意欲的に学習に取り組む生徒が増加している。 アンケートの結果からは、社会科を「好き」（１６名）、または「どちらかと言えば好き」（９名）と答え、約７１％の生徒が興味?関心を持って授業に臨んでいる。また、地理が好き（７名）、歴史が好き（２８名）と、分野別の学習意欲に偏りがみられた。 　　「時代を超えて人物の行動や生活をよみとる」ことに関心が高い生徒が多く?地理では「様々な地域や国のデータ」に関心が高いと答えた生徒もいた。 　　　小学校での「沖縄」の学習に対しては、「暑い」「海がきれい」など、自然に関する答えが圧倒的であったが、小学校の授業で学習していないと答えた生徒は、「日本と違う外国のイメージ」や、「意味がわからない言葉を話している」「日本と違う南国的な県」と回答していた。修学旅行で「沖縄」に実際に見て、触れた後の感想では、特有の自然を体感すると共に、戦争の悲惨さを訴える生徒がほとんどであった。都市化された那覇市の印象が強く残っている生徒もいた。 指導観 　　日本の人々のくらしを多面的?多角的に考察するためには、食生活や住宅の変化、世界と日本の文化や習慣を、地域や国といった空間のつながりだけではなく、過去や未来のつながりなど、時間の軸も交えて比較?検討を試みる。 　　特に沖縄の学習に関しては、総合学習を中心としたテーマ別、グループ別の調べ学習をへて作成した「修学旅行のしおり」の活用。歴史的分野で設定した「戦争体験の聞き取り調査」の課題。また、修学旅行での沖縄の伝統的文化に触れる