県立宮崎病院内科の現況.pdf

平成20年３月31日 宮 崎 県 内 科 医 会 誌 第73号 【巻頭言】 ［巻　頭　言］ 県立宮崎病院内科の現況 県立宮崎病院内科　 上　田　　　章 平成19年４月に血液科と化学療法科を設置し，内科?循環器科?血液科?化学療法科，神経内 科となり，より専門的な診療体制の構築をはかっています。化学療法科では本年４月には腫瘍内 科専門医１名の増員により２名体制とし，外来化学療法などがんの内科治療体制を充実させる予 定です。また，消化器，腎臓，呼吸器，エイズなどの感染症，膠原病，代謝内分泌の専門医もそ ろい，質の高い診療をめざしています。 内科診療の専門化と患者要求の高度化によって，内科の臓器別専門化は当然の流れですが，次 第に各専門内科以外の内科診療を行うことが困難となっています。入院を要する時間外救急患者 や担当入院患者の診療において，各専門分野に少なくとも複数の専門医がいないと休みがとれず 疲弊して，退職?医療崩壊となる可能性があります。病院医療崩壊が進む中，地域の中核病院と して勤務を続けられるためには，少なくとも月に数回入院?救急診療からフリーとなる日を確保 する必要があります。専門化と同時に，複数専門医体制の確立，主治医体制の見直しなどが課題 です。 平成16年度から新医師研修制度がスタートし４年目を迎えています。今後の内科医のキャリ アーはどうなっていくのでしょうか？　以前は，大学の内科学教室に入局し，臨床研修や研究を 行い，その後関連病院に出張あるいは留学などを経て，勤務を続けるか開業するかが典型的なパ ターンでした。私自身も入局後関連病院と大学で２年間の内科研修，大学の研究室で膠原病学の 研究と臨床を４年間行って学位を得，関連病院出張，米国留学，大学での教育研究を経て就職し 現在に至っています。当院で新研修制度の初期研修を終えて内科を専攻した者も数名おり，当院 内科での後期研修に進み内科?各専門内科医をめざす者，他の病院に移って内科を研修し地域医 療を志す者，大学に入局し内科?各専門内科医を取得後病院に就職する，あるいは，研修と大学院 での研究を行う者など進路はさまざまです。数年以内にその方向性も明らかになるものと思います。 昨年は，高病原性鳥インフルエンザ疑い２事例に対応しました。ひとつは県内の養鶏場での鳥 インフルエンザの発症時に対策にあたった関係者の方々への対応で，もう一つがインドネシアで の鳥接触後に高熱を発症した帰国者への対応でした。マニュアル作成や訓練などを行っています が，忘れたころにやってくるので，対応はなかなか難しいのが現状です。世界では高病原性鳥イ ンフルエンザの報告が増加していますので，日本にもほんものが来ると覚悟しなければなりませ ん。 最後になりましたが，会員の先生方とは病診連携をはかり，入院診療と専門外来診療を主に行っ ていく所存ですので，今後ともご指導?ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。 ?1? 【特　集】 宮 崎 県 内 科 医 会 誌 第73号 平成20年３月31日 心身医学?心療内科の時代 宮崎大学安全衛生保健センター教授?心身医学科研修指導医? 心療内科専門医?宮崎心身医療研究会代表?日本教育医学会理事 　 秋　坂　真　史 は じ め に 医師であるべきであろう。 「精神科」のイメージが湧かない医師はい もう一つ大切な点は，「心身医学」は，医 ないであろう。しか