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３．３ 国際的なクリアランスレベルとの比較及び考察 ３．３．１ 国際的なクリアランスレベルとの比較 本検討で算出した RI 汚染物及び放射化物のクリアランスレベルについては、RS-G-1.7 をとりまとめた際にクリアランス等の判断に用いる放射能濃度の基準値の算出根拠とし て提示されている IAEA Safety Report Series No.44（以下、「SRS No.44」という。）で 算出されている計算値（以下、「RS-G-1.7 の計算値」という。）との比較を行った。 まず、RI 汚染物のクリアランスレベルについて比較を行ったところ、一括クリアラン スを想定して算出した各核種のクリアランスレベルのうち、RS-G-1.7 の計算値より低く なった核種はI-125であり、RS-G-1.7の計算値との比率は約0.1となった。一方、RS-G-1.7 の計算値との比率が 100 を超える結果となった核種は F-18、Ca-45、Y-90、Tc-99m 及び Cd-109 であり、それぞれの比率は、60000※11、170、160、130 及び 140 となった。また、 個別クリアランスを想定して算出した全ての核種のクリアランスレベルは、RS-G-1.7 の 計算値との比率が 10 を超える結果となった。 次に、放射化物のクリアランスレベルについて比較を行ったところ、大規模施設にお いて発生する放射化物を対象として算出した各核種のクリアランスレベルのうち、Cl-36、 Ni-59 及び Hg-203 については RS-G-1.7 の計算値より低くなり、それぞれの RS-G-1.7 の 計算値との比率が 0.73、0.25 及び 0.80 となったものの、これらを含めたすべての核種 は RS-G-1.7 の計算値との比率が 0.1 から 10 の範囲に収まる結果となった。一方で、小 規模施設において発生する放射化物を対象として算出したすべての核種のクリアランス レベルは、RS-G-1.7 の計算値との比率が 10 を超える結果となった。 ３．３．２ RS-G-1.7 の計算値との比較の結果に係る考察 ３．３．１に示した RS-G-1.7 の計算値との比較において、RI 汚染物の一括クリアラ ンスを想定して算出したクリアランスレベル、及び大規模施設において発生する放射化 物を対象として算出したクリアランスレベルでは、ほとんどの核種のクリアランスレベ ルが RS-G-1.7 の計算値と同等となる結果が得られた。しかしながら、これらの RI 汚染 物及び放射化物に関するクリアランスレベルの算出結果において、RS-G-1.7 の計算値を 下回った核種と、逆に 2 桁以上大きくなった核種もあるため、その理由について考察を 行った。 ※11 ：F-18 は、半減期が約 1.8 時間であり、今回のクリアランスレベルを算出する対象核種とし て選定した核種の中で、最も半減期が短い核種である。今回のクリアランスレベルの算出 では、被ばく開始であるクリアランスまでの期間（1 日）の減衰と、被ばく期間中（1 年 間）の減衰を考慮している。一方、RS-G-1.7 における決定経路である皮膚被ばくを想定し た経路では、クリアランスまでの期間及び被ばく期間中の両方の減衰を考慮していない。 このように、被ばくに係る期間の設定の違いにより、F-18 については、RS-G-1.7 の計算 値との比率が極端に大きくなっている。 138 ３．３．２．１ 今回の算出結果が RS-G-1.7 の計算値より低くなった核種について 本検討で得られた算出結果（放射能濃度（Bq/g））が、RS-G-1.7 の計算値 (Bq/g)より 低くなった核種は、RI 汚染物（一括クリアランス）では I-125 であり、一方、放射化物 （大規模施設）では Cl-36、Ni-59、Hg-203 の計 4 核種である。その理由の考察を以下に 示す。 （１）I-125 について 本検討における I-125 の決定経路は、可燃物等の焼却処理に係る評価経路の溶融炉周 辺における畜産物摂取経路である。RS-G-1.7 では、鋳物工場の周辺居住者の吸入による 被ばくは想定しているものの、畜産物