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タイトル 精神科急性期治療病棟における 『患者心理教育プログラム』に対する満足度調査 研究者名 白井雅樹 （作業療法学科 5 期生 南知多病院 作業療法士） 共同研究者 福田耕嗣 （医師）、丹羽真由美 （薬剤師）、坂口肇 （看護師）、相川裕子 （栄養士）、榊原全雄 （精神保健福祉士） ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 要旨 精神科急性期治療病棟患者の治療に『患者心理教育プログラム』を用いた症例群は用いなかった症例群 と 比較 して、治療満足度向上効果が得られるか否かを検証 した。治療満足度は、より良い治療者や病院を目 指す為の指標 ともなる。本検証において 『患者心理教育プログラム』の実施は、治療満足度を有意に向上 させる結果 となり、重要性の再認識につながった。 キーワード 心理教育 精神科急性期 治療満足度 多職種チーム はじめに 近年の精神科医療は長期入院中心から、短期入院と地域支援へと転換しつつある。南知多病院も平成20 年８月（試行期間を含む）より急性期治療病棟を有し、短期入院による集中的治療を実施している。その 一環として平成 20 年 12 月より、医師、薬剤師、看護師、栄養士、精神保健福祉士、作業療法士の 6 職種 で、作業療法のプログラムとして取り組む『患者心理教育プログラム～良い調子を維持する為のヒント～』 を開始した。 心理教育の定義は「精神障害やエイズなど受容 しにくい問題を持つ人たちに、正しい知識や情報を心理面 の十分な配慮をしながら伝え、病気や障害の結果もたらされる諸問題 ・諸困難に対する対処方法を習得し てもらうことによって、主体的に療養生活を営めるよう援助する方法」であり、患者さまの積極的な治療 への参加を促すものである。 『患者心理教育プログラム』を実施し、患者さまから 「とても、勉強になった。」「苦しんでいるのは、自 分だけでないと気が付いた。」「薬や栄養や睡眠の大切さが分かった。」等の感想が聞かれ、手応えと重要性 を認識した。 そこで、今回我々は『患者心理教育プログラム』実施による患者さまの変化や影響を、治療満足度という 観点から検証 した。 方法 ① 南知多病院 ・急性期治療病棟紹介 南知多病院は知多半島の先端部に位置し、昭和6 年に開院、病床数は 277 床、職員数は 230 名程 （ＯＴＲ：5 名）の精神科病院である。大規模デイケアを有し、同敷地に援護寮を併設している。 また、訪問看護･指導を積極的に実施している。 急性期治療病棟は平成 20 年 8 月より有し、他に３つの療養型閉鎖病棟 と１つの療養型開放病棟 を有している。急性期治療病棟は合計46 床であり、10床の開放病棟 と36 床の閉鎖病棟からなる。 平成 21 年 4 月における急性期治療病棟の病名比率は、気分障害： 35.5％、統合失調症 ： 32.5％、 認知症 ： 17.5％、その他の疾患 ： 14.5％となっており、男女比は 5 ：5 で、平均年齢は 59.8 歳 である。また、平成 21 年 1～4 月に退院した患者さまの平均在院日数は 47.8 日であり、90.3％の 患者さまは３ヶ月以内に退院している。 ② 『患者心理教育プログラム』概要 ・多職種チーム （６職種）として医師 （病気の原因や治療について）、薬剤師 （定期的服薬の重要 性と副作用への対処方法について）、看護師 （服薬を忘れてしまった時の対処方法について）、 栄養士 （バランスのとれた栄養の重要性と簡単料理方法について）、精神保健福祉士 （各種制度 や社会復帰施設や治療サービスの紹介と利用方法について）、作業療法士 （ストレスへの対処方 法について＋全体の復習）にて実施。 ・約 3 週間の期間で 6 回のプログラムを実施。 ・1 回につき 30～50 分程度、事前に同意を得た４～7 名程度が参加。 ・副題である、『良い調子を維持する為のヒント』と背表紙に書かれたファイルを初回に配布。 ・上記職種の順番にプログラムを実施し、最終回にて修了証を授与。 ・作業療法プログラムとして実施 し、常に同一作