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平 平成25 年１１月1 日発行 平成２５年 １１月号 Ｎｏ.1７ 〈当院正面玄関〉 消化器外科胃担当部長就任の抱負と今後の戦略 消化器外科 胃担当部長 比企 直樹 ８月１日付にてがん研の胃外科の部長という大役を仰せつか り、心が引き締まる思いであります。 私の抱負ですが、臨床、教育、研究の三本柱を明確することが 重要だと思っております。 臨床：現在胃外科では日本一の胃癌症例を集積しておりますが、 更なるセンター化で効率を図り、ご紹介頂きました患者さんに、 質の高い治療を提供したいと思っております。その為には１）手 術治療の礎となる集学的治療、周術期管理、術後QOL の向上な どを栄養管理などの手法を用いて確立する。２）腹腔鏡治療をさ らに安全なものとして進化させ適応拡 大をはかる。３）LECS （腹腔鏡内視 鏡合同胃切除術）のようなオリジナリ ティーの高いがん研独自の術式を開発 しこれを普及してゆく、などの戦略が 重要だと思っております。また、日本 の胃癌治療は国際的にも認知されてお り、その中でがん研の胃癌手術の質の 高さを国内外にアピールしてゆくこと で、国内のみならず海外からの患者さ んも多く受け入れて行きたいと考えて います。 教育：上記治療が国内および海外に広く 受け入れられるためには、臨床現場にお ける徹底した教育の拡充することが重 要です。教育の目標は１）手術技術の獲 得（内視鏡外科技術認定医資格）、２） 論文や学会発表における基礎的な理論 構築から論文作成に至るステップを習 得することの 2 点に集中したいと思っ ております。全国から集まる当院の研修 生や見学者は各々の地域に帰られてか ら指導者として十分な胃癌に関する知 識と診断、手術や周術期管理の能力が求 められます。これらを全国のトップレベ ルの指導者を育てることががん研の責 務だと思い、努力したいと思います。 研究：集学的治療として手術と化学療法 の臨床試験を推進する一方、臨床研究だ けではなく、研究所や他大学との連携に より科学研究も推進してゆく必要があ ると考えます。たとえば私は以前、癌が 見える眼鏡を鏡視下手術に応用すると いうプロジェクトを企画しました。この プロジェクトは鏡視下手術において、① 蛍光色素とレーザー光を用いることで 肉眼で見えない深部血管や、リンパ節を 透見しながら手術を進めるナビゲーシ ョン・サージェリー開発と、②蛍光色素 に癌特異的抗体やペプチドをラベリ