集中治療患者の発熱を どう管理するか.PDFVIP

第39回日本集中治療医学会学術集会教育セミナー開催 共催：株式会社メディコン 集中治療患者の発熱を どう管理するか 2012年2月29日，幕張メッセで第39回日本集中治療 医学会学術集会教育セミナーが開催された．医師，看 志馬 伸朗氏 護師それぞれの立場から，ICU患者の体温管理につい 京都府立医科大学 ての最新の知見と，看護師の発熱管理に関する認識の 集中治療部・感染対策部・麻酔科学教室 講師/副部長 現状と今後について講演が行われた． 1 江木 盛時氏 Up to Date 岡山大学医学部麻酔科蘇生科 1 脳梗塞，脳出血， クモ膜下出血 発熱は，感染もしくは非感染性の刺激 により熱を産生する疾患のサインであり， / 心筋梗塞，心外膜炎 その原因も多岐わたっている（図1，表1）． 江木氏は，「なかでも忘れてはならない 肺梗塞，無気肺， 急性呼吸促迫症候群 のは，drug feverです．集中治療領域の 発熱の約 30%は薬のアレルギーだといわ 虚血性腸炎，消化管出血， 膵炎，肝炎，肝硬変， れています」と解説．抗菌薬を投与してい 副腎不全 る患者に発熱があった場合，抗菌薬を変 更すると熱が下がることがある．細菌培 深部静脈血栓 養の結果やX線，CTなどの画像所見に問 1 題がなければ，変更した抗菌薬が効いた drug fever，造影剤使用， 悪性腫瘍，輸血， と考えるのが一般的だが，実際には，最