（原材料（原油、鉄鉱石）価格の上昇が企業収益に与える影響）要点.pdfVIP

（原材料（原油、鉄鉱石）価格の上昇が企業収益に与える影響） 現在、原油、鉄鉱石といった原材料価格の上昇が継続しており、特に原油価格について は、その期間も湾岸危機の一時的な高騰期間をはるかに越えて３５ヶ月以上の長期化を呈し ている。そこで、原油、鉄鋼（鋼材）を素原材料として精製・製造する国内企業の状況（生産 や価格転嫁など）について国内需要量（輸入数量）や製造品産出価格、投入価格等からそ の動向と影響について考察する。また、原材料価格の上昇が、関連する業種へ及ぼす波及 効果についても考察してみる。 （１）原材料価格の動向 期化している。しかし、ドルベースの原油価格の上昇は、為替の円高の影響もあり円ベー スでは抑えられた状況にはあるものの、１４年年央以降から上昇している原油価格は１６年 以降円ベースにおいても依然高水準にある（第Ⅰ－１－１０図）。 第Ⅰ－１－１０図 原油価格の推移 湾岸戦争 （円／ﾄﾞﾙ） イラクがクウェートへ 千円／ＫＬ イラク攻撃 45 侵攻　（２年８月） 160 $/B 米国がイラクに爆撃開 始　（１５年３月） 円レート（右目盛） 40 140 35 120 30 100 25 80 20 60 15 40 10 円高傾向のため、 ドルベース原油価格の上昇 アジア通貨危機(９年７月) が円ベースでは抑えられた 5 経済低迷で需要減少 20 0 0 └63年┘└元年┘└ 2年┘└3年┘└4年┘└ 5年┘└ 6年┘└ 7年┘└ 8年┘└9年┘└10年┘└11年┘└12年┘└13年┘└14年┘└15年┘└16年┘└17年 （注）原油価格＝輸入金額／輸入数量 資料：「貿易統計」（財務省）、「外国為替相場」（日本銀行） 次に、鉄鉱石価格の推移を$/ﾄﾝ当たりでみると、中国の旺盛な需要による需給ひっ迫 から、１５年年央以降急激な高騰を続けており、原油と同様に期間も長期化している（第Ⅰ －１－１１図）。