国立アイヌ民族博物館展示計画の概要解析.pdfVIP

国立アイヌ民族博物館展示計画の概要 「国立のアイヌ文化博物館（仮称）基本計画」（平成27年7月）において定めた展示に関する方針等について，更に検討を深め具体化するために設置した 「国立のアイヌ文化博物館（仮称）展示検討委員会」により取りまとめられた「国立のアイヌ文化博物館（仮称）展示計画報告書」（平成28年4月）を踏まえ， 展示の基本的な考え方，対象とする地域等，特色，形態，環境等について，国立アイヌ民族博物館展示計画として取りまとめた。 １．展示の基本的な考え方 国内外の多様な人々に，アイヌ民族の歴史や文化を正しく学び，正しく理解する機会を提供するために，アイヌの 歴史・文化等を総合的・一体的に展示する。 ２．展示の対象とする地域，時代など ３．展示の特色 ・アイヌ民族が居住してきた北海道，サハリン（樺太），千島，本州東北地方 ・最新の情報を公開できるよう可変的な展示形態や展示システム。 を中心に，周辺諸地域との関わりの中で醸成されてきたことに留意した展示 ・館内の解説パネルやサインには，アイヌ語，日本語，英語のほか必要に を行う。 応じて多言語に対応。 ・旧石器時代から現代までを対象とし，周辺の人々との交流を含めた広がり ・ユニバーサルデザインに配慮し，あらゆる人に開かれた展示環境を実現。 の中で多面的に取り上げる。 ・国内外の博物館とのネットワークをいかした展示会などを企画・実施。 ４．展示の形態 ＜基本展示室 導入展示，子供向け展示と６つの展示テーマ＞ （１）総合展示 ① 基本展示室 （1,250㎡） 導入展示 私たちの交流 ・アイヌ文化等の基本的な事象を伝え，「私たちの〜」という切り口の６ ・民族共生をテーマに，来館者自身 ・生活圏と海を越える交流 【近世】 テーマと導入展示及び子供向け展示で構成。 が世界の諸民族を考える場とする ・人びとをつなぐモノ【近世～近代】 ② テーマ展示室 （0～600㎡） ・外から見たアイヌ文化【近世～近代】 ・多様な切り口やテーマを一定期間紹介する展示。 私たちの世界（信仰） ・海外の先住民族との交流【近代～現代】 ・可動壁により３～４室に分割できるようにし，特別展示との一体的な利 ・カムイ（神）のくらす世界 私たちのことば 用も可能とする。 ・儀礼のあらまし ③ シアター （150㎡） ・さまざまな儀礼 ・アイヌ語の基礎 ・映像や音声でアイヌ文化等の概要を紹介。 ・アイヌ語の歴史とことばの復興 ・あの世のとらえ方 ・ガイダンス的役割を持ち，小規模な講演会やレセプション等にも対応。 ・周囲の文化との比較 ・アイヌ語地名 ・アイヌの口承文芸 （２）特別展示室 （400～1,000㎡） ・アイヌ文学 ・特定のテーマや事象について最新の調査・研究の成果等を紹介。 私たちのくらし ・テーマ展示室と可動壁を活用して統合・分離し，面積を可変とする。 ・今に息づく装い 私たちの歴史