国務院の中国（上海）自由貿易試験区の改革開放を更に深化する方案の印刷発行に関する通知解析.pdfVIP

BTMU （China）実務・制度ニュースレター 2015 年 4 月 24 日 第 134 期 BTMU （China）実務・制度ニュースレター 2015 年 4 月 24 日 第 134 期 国務院の中国（上海）自由貿易試験区の 改革開放を更に深化する方案の印刷・発行に関する通知 上海自貿区の範囲が拡大 トランザクションバンキング部 2015 年 4 月 20 日、国務院は広東、天津、福建にこのたび新しく設けられた各自由貿易試験区の改革のマス タープランとなる「全体方案」、および上海における自由貿易試験区の改革開放を更に深化する方案（以下、 「深 化方案」）の合計 4 つの通知を公布しました。 ここでは、上海市自由貿易試験区の全体方案である「中国（上海）自由貿易試験区の改革開放を更に深化する 方案の印刷・発行に関する通知」（国発〔2015〕21 号）について解説致します。 1．概要 1 中国（上海）自由貿易試験区の全体方案（以下「全体方案」）は2013 年 9 月に国務院により公布 され、その内容 に沿った改革が進展しています。 今回公布された「深化方案」の最大の特色は、2014 年 12 月に国務院常務会議および全国人民代表大会常務 委員会で既に決定されている中国（上海）自由貿易試験区のエリア拡大2 が織り込まれている点です。今回エリア に加わった陸家嘴、金橋、張江はそれぞれ金融業、先進的な製造業・サービス業、ハイテク技術という特色を持ち、 いずれも上海経済を支える重要地域であることから、今後、自由貿易区の改革のさらなる進展が期待されます。 一方で「深化方案」で示された具体的な改革項目は概ね「全体方案」の内容を踏襲したものとなっており、さほど の目新しさはありません。ただし特に中国を代表する金融センターである陸家嘴金融エリアが自由貿易試験区に 組み込まれたことで、金融当局が従来から進めている上海国際金融センター構想と自由貿易試験区改革を連動さ せた新しい金融改革案の策定が別途進んでおり、近日中に公布される見込みと伝えられています。 2．深化方案の内容 以下、「深化方案」の内容を紹介します。中国（上海）自由貿易試験区でこれまでに実施した改革内容を概ね踏 襲したものとなっています。 (1)発展目標 「ネガティブリスト管理を中核とした投資管理制度」「貿易利便化に重点を置いた貿易管理監督制度」「資本項 目両替自由化と金融サービス業の開放を目標とした金融刷新制度」「政府機能の転換を中核とした事中・事後 管理監督制度」を深化、改善することを通じ「開放度が最も高く、投資貿易が便利で、両替が自由で、管理監督 が効率的で利便性が高い、法制環境がルール化された自由貿易園区」を建設することを発展目標として掲げて います。 1 国務院「中国（上海）自由貿易試験区全体方案」（国発[2013]38号）。詳細はBTMU （China）実務・制度ニュース・レター第75号をご 参照ください。 http://www.bk.mufg.jp/report/chi200403/313100201.pdf 2 詳細はBTMU （China）実務・制度ニュースレター第120号をご参照ください。 http://www.bk.mufg.jp/report/chi200403/315012101.pdf Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ (China) 1 A member of MUFG, a global financial group BTMU （China）実務・制度ニュースレター 2015 年 4 月 24 日 第 134 期 (2)地域 上述の通り、今回「陸家嘴金融エリア」「金橋開発エリア」「張江ハイテクエリア」の3 エリアが中国（上海）自由貿 易試験区の対象地域に加わりました。これにより中国（上海）自由貿易試験区の面積は従来の 28.78 km2 から 2 に拡大しま