1.需给动向.PDFVIP

1.需給動向 1-1.世界の需給動向 鉛は比較的錆びやすく、すぐに黒ずむが、酸化とともに表面に酸化皮膜が形成されるため、腐食が内部に 進みにくい特性がある。また、融点が低いため、柔らかく製錬が容易で加工しやすい金属として、古くから幅 広い用途で用いられている。現在の鉛の需要は、蓄電池用としての使用が最も多い。蓄電池以外では、はん だ、無機薬品向け需要がある。ただ、近年では、はんだの鉛フリー化が進んでおり、同分野での需要は減少 ） ｂ Ｐ （ 鉛 傾向にある。その他、ガラス製品、鉛管板、放射線遮蔽材、防音材などにも使用されている。 世界の鉛の需給及び鉱石生産を表1-1、図1-1、図1-2に示す。世界の鉛製錬原料の半分は使用済み蓄電 池を中心としたリサイクル原料で、残りの半分が鉱石由来となっている。2012 年の世界の鉛鉱石生産量は、 前年比112％の5,297千ｔであり、生産量は2009年以降右肩上がりで推移している。世界最大の生産国である 中国の 2012 年の鉛鉱石生産量は前年比118％の 2,838 千ｔであり、生産量全体の 54％を占めている。その他、 豪州が前年比 104％の 648 千ｔ、米国が前年比 101％の 348 千ｔ、ペルーが前年比 108％の 249 千ｔ、メキシコ が前年比106％の 238 千ｔとなっている。 このように鉛鉱石の生産量は増加しているが、最も生産量が増加している中国の生産分は主に同国内で消 費され海外への輸出には回らない。中国以外での新規プロジェクトは、豪州のＩｎｖｅｒｎｉａとＧlｅｎｃｏｒｅ Ｘｓｔｒａｔａ の 2 件程度で、世界の鉛鉱石市場は引き続き逼迫すると予想されている。 2012 年の世界における電気鉛の生産量は、前年比 101％の 10,620 千ｔと横ばいで推移した。地域別では、 アジアの生産量が最も多く全体の 59％を占める。アジアの中でも特に中国の生産量が多く、世界全体の生産 量に対して 44％の比率を占めている。中国では、2011 年に生産能力 600 千ｔの製錬所が新規増設されたが、 その一方で 310 千ｔ分の老朽化した製錬所の閉鎖が進み、生産能力は横ばいの状態となっている。2013 年に は古い設備への閉鎖が更に進み生産能力が 1,000 千 t 削減されることになっている。アジアで生産量が増加 したのはインドで前年比 109％の 463 千ｔが生産された。インドの電気鉛生産量の増加は、同国の新規製錬所 がフル稼動になったことによるものである。 2012年世界の電気鉛の消費量は、前年比102％の10,582千ｔであり、電気鉛の生産量同様、2011年の水準 を維持した。地域別消費量ではアジアが 63％、北南米が 21％、欧州が 15％、アフリカが 1％の構成比となっ ている。生産量と同様に中国が最大の消費国であり、世界の消費量の44％（前年比101％の4,628千