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画像提供 上尾中央総合病院 大動脈解離  Aortic dissection 大動脈の壁構造 大動脈の壁（厚さ2,3mm） は内膜と中膜、 そして外膜の３層構造から成っています。 中膜 内膜 外膜 内膜 ：血流に直接当たる部分で、 血液凝固をおこさないようなホルモン 状物質の分泌などの活動もになっています。 中膜 ：内膜と外膜の間に挟まった部分で、ちょうどスポンジのような構造 で大動脈壁のしなやかさを維持するための部分です。 外膜 ：丈夫な繊維性の皮で壁構造の強度維持に働くとともに、感覚神 経 （圧覚や痛覚など） の末端を備えています。 大動脈解離とは？ 大動脈壁が中膜のレベルで二層に剥離し、 動脈走行に沿ってある長さを持ち二腔に なった状態で、大動脈壁内に血流もしくは 血腫が存在する病態 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドラインより 大動脈解離の病態 entry  大動脈壁の弱い部分に高血圧 によるストレスがかっかて内膜 の一部が破綻する  偽 真 中膜 腔 外膜 腔 内膜 正常構造 解離構造 用語解説  entry  真腔 frap 偽腔  re­entry  用語解説 真腔  true lumen：もともとの血流空間 偽腔 false lumen：壁内に新たに生じた腔  flap：剥離内膜（実際は内膜と中膜の一部により構成） entry：真腔から偽腔へ血流が入り込む部位  re­entry:偽腔から真腔へ血流が流れ込む部位 好発部位は上行大動脈内、大動脈弓部、下行大 動脈の起始部  原因 ①高血圧症 動脈硬化の進展による内皮～中膜組織の硬化と脆 弱化している状態に高血圧による壁へのストレスが解 離をおこす最大の理由 ②特殊な遺伝性疾患 Marfan症候群など体質的に動脈壁構造が弱くなる病 気を持っている場合 ③妊娠中の女性 妊娠中に生じる血行動態の負荷による 症状 激烈な胸痛 突然の引き裂くような胸・背部痛でしばしば頸や背中へ の放散痛を伴い、疼痛は解離の進展に伴い前胸部から 背部、腰部へと移動する特徴がある ショック症状 様々な合併症による顔面蒼白、発汗などのショック症状 主要分枝動脈の虚血症状 偽腔による圧迫から生じる臓器への血流障害及び 下肢の虚血性変化（チアノーゼや下肢疼痛） 大動脈解離の合併症