平成26年度课题研究成果报告书.PDF

平成26 年度 課題研究成果報告書 平成27 年3 月25 日現在 研究種目：課題研究Ⅱ 研究期間：2014 年 ～ 2015 年（1 年間） 研究課題名 ：作業の習慣化に向けての作業閾値 質問表の開発に関する研究 研究代表者 氏名：澤田辰徳 所属：イムス板橋リハビリテーション病院 会員番号 ：16198 研究成果の概要： 作業遂行に関するクライエントと作業療法士間のギャップを測定する評価法 Assessment of Client’s enablement を開発した．Test-retest により信頼性の検証を行った結果，全 ての値において中等度から高度の相関がみられた．また，妥当性の検証はCOPM の遂行度お よびFIM の値で相関を検証した．結果として，共に相関関係が見られ，妥当性が確証され た． 助成金額 （円）：13,4000 キーワード：作業遂行，（ギャップ），Assessment of Client’s enablement １．研究の背景 イエントと作業療法士の認識のギャップが 近年作業療法では，作業の可能化のために対 問題であると結論した． 象者の大切な作業を知るようになった．具体 我々はこれらのことから，各種面接ツール 的なツールとしてはCOPM やADOC，そし により挙げられた作業ニーズに容易に付随 て生活行為向上マネジメントにおける聞き でき，作業遂行に関して対象者と作業療法士 取りシートが開発され，我が国の臨床でも多 の考えのギャップが測定できるコミュニケ く利用されてきている．しかし，臨床でクラ ーションツールが有用となるのではないか イエントの大切な作業を聴取し，その作業が と考えた．その評価ツールを用いて，大切な できるように介入しても，実生活で習慣化で 作業の遂行のギャップを日々の臨床で問い， きないことがある．特に，我々は作業療法士 その結果を作業療法士および対象者に視覚 が介入中に，実生活の中で習慣的に遂行可能 的にフィードバックできれば，対象者と作業 だと判断したのとは裏腹に，実際の実生活の 療法のギャップが生じることは無くなり，最 場で習慣的に遂行していないことを経験し 終的に大切な作業が実生活の場で習慣的に 1-3) 4,5) た ．これらは他にも報告されており ， 遂行可能にする一助となると考えた． 有用な作業療法サービスとして帰結するこ とができないことを示している．熟練作業療 ２．研究の目的 法士は面接や普段のコミュニケーションを 本研究は，作業遂行に関する認識のギャップ 踏まえたアプローチによりこの事態を回避 の評価を開発するとともに信頼性と妥当性 するであろうが，経験の浅い作業療法士には を検討することを目的とした． 難しい． 研究当初この問題について，我々は人が作 ３．研究の方法 業を遂行するには，感覚閾値のような作業閾 研究開始に伴い，作業遂行に関する認識差異 値（仮）というものがあると考えていたが， の評価（Assessment of Clients enablement; 研究を進めるにつれ，作業遂行に関するクラ ACE)を開発した．開発した評価はクライエン トがCOPM やADOC などで挙げた5 つまでの作 FIM による評価比較－．神戸学院総合リハ 業につい