平成23年度研究成果発表会大岛紬絣文様集小柄(.PDF

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平成23年度研究成果発表会大岛紬絣文様集小柄(

鹿児島県工業技術センター研究成果発表会予稿集(2011) 大島紬絣文様集小柄 (伝統柄)について 大島紬部 ○徳永嘉美 1. はじめに 大島紬の販売促進で 「語り」は重要な要素となり,伝統としてのブランドイメージの向上とプレゼ ンテーション資料には,そのバックボーンとなるルーツの検証と文献等の整備が必要である。そこで 先に体系化した柄のルーツである 「伝統的絣文様の基本形」から派生し,締機によって形成された小 柄を,これまでの調査研究と最近発見された博物館の資料等を基に復元し絣文様集として編纂した。 編纂方法は,図案だけでなく再現するためには組織の分解図が重要となるので,織上がり想定図と 共に表記した。さらには,参考資料として絣締めの羽割り,特記事項等を付け加えている。 2. 研究概要及び結果 2.1 大島紬絣文様集Vol.1小柄 (伝統柄) 大島紬の絣文様は,当初琉球絣を受け継いでいたが,明治末,締機を開発することで独自な絣文様 のデザインを確立した。まず最初に登場したのが小柄である。そのデザインの発想は自然の事象,そ して身近な暮らしの道具や遊具など様々で,土地の風土に染まりながらさらに変化している。 多くの小柄が残されているが,まず名称のはっきりして いるものを 「伝統柄」として位置づけ編纂した。 絣文様集としては,図案だけでなく織り上がったイメー ジも表記する完璧なものとの思いから長年編纂できずにい た。ところが近年になって,コンピュータを利用して織組 織の分解図から仕上がりを正確に想定する技術を構築し, 290柄を網羅する大島紬絣文様集Vol.1小柄 (伝統柄)と して刊行することができた。刊行した絣文様集とその内容 の一部を図1に示す。 図1 絣文様集 2.2 コンテンツについて 小柄の名称が名付けられた背景等を調査したところ,デザインの発想源ごとに14のグループに集約 することができた。14のコンテンツと仕上がり想定の一部を図2,3に示す。 亀甲 (大目) (二重亀甲) ツガ (ツガジュウ) (クロツガ) 西郷 (赤尾木西郷) (新西郷) 人名 (有馬) (元次郎) 図2 コンテンツと主な仕上がり想定1 - 10 - 鹿児島県工業技術センター研究成果発表会予稿集(2011) 文字 (米の字) (日米) 十の字 (網十の字) (十囲み) 花 (精華) (花ンカ-) バラ (バラ) (秋名バラ) 風車 (風廻し ) (カザモーシャ ) タスキ (十タスキ) (ツガタスキ) 長 (長十) (鱗) 車 (十車) (矢車) ソテツ葉 (蘇鉄葉) (蘇鉄葉) チラシ (アタエチラシ )(亀甲チラシ ) 図3 コンテンツと主な仕上がり想定2 2.3 小物製品の試作 今回刊行した絣文様集の中から,「新西郷」柄を選定し小物 (ネクタイ ・ 名刺入れ)の製品を試作した。試作品を図4に示す。なお,製造方法の主な 仕様は 「15.5算,絣黒色,地黄色」で,白大島紬製造方法 (黒先染め抜染後 黄色の浸染)とした。 3. おわりに 本絣文様集は,Vol.1小柄 (伝統柄)として刊行したが,小柄は他に 図4 試作した小物製品 無名のものが残されている。今後は創作柄を加味した形でのVol.2小柄 (無名柄)を編纂したいと考えている。また普及に当たっては,この絣文様集は製品制作情報等が記 されているため取り扱いを慎重にし,パスワード

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