冈山市西大寺一宫育苗公园発掘调査现地説明会资料.PDFVIP

岡山市西大寺一宮 育苗公園発掘調査現地説明会資料 主催 岡山市教育委員会・岡山市遺跡調査団 〔１〕公園用地内の調査 ○この調査は市建設局緑と花課からの委託により市教育委員会文化課が実施している ものである。 １ 調査期間 昭和５２年５月１６日～約２ヶ月の予定 ２ 調査面積 約２００ｍ２ トレンチ（試掘溝２ｍ×５ｍ）約２０本 ３ 調 査 法 公園予定地内にトレンチを設定し、予定地の部分的な発掘調査を実施 する。 ４ 調査の目的 公園予定地内に認められる土器散布の状況から、予定地内の遺跡の存 在が予想されたためトレンチ調査によって、遺跡の性格、構造等を明ら かにして、公園計画立案の参考資料にすると共に、その記録保存を図ろ うとするものである。 〔２〕 発掘調査による成果 １ 遺跡の種類 水田遺構、中世館遺構、埋葬遺構 ２ 遺跡の時期 中世前半（鎌倉時代～室町時代初期） １２世末（約７００年前）～１５世紀（約５００年前）頃にかけて ３ 遺構の状況 イ 西大寺一宮育苗公園遺跡（仮称） 公園予定地は、牛窓千手西谷に源を発する奥深い谷が宮城山（別名鶴山）西北部に おいて急に開ける手前の部分に位置し、谷尻部分に形成された六万坊池、金ヶ坪池を 水源とする谷水田を取りこむように計画されている。 この谷の南北両山裾部分には、県道橋詰・千手線と農道が走り、谷底部分は段々状 に水田が形作られている。 この公園予定地内には、中世土器を中心として石器等の散布が濃厚に認められた。 また、予定地周辺部には横穴式石室を持つ後期古墳数基が存在し、この地に遺跡の存 在を推定するに充分な資料が認められた。 ロ 確認された遺構 ☆ 水田遺構 公園予定地の谷底部分にあたる東西道路の予定地に入れた各トレンチ （E 1 ～E7 ） では、この地が水田に開発されて以来の水田土壌が何層にもわたって認められた。各 トレンチの最下層の地山（青灰色砂層で無遺物層）直上には１０～２０cm の厚さで 灰色～黒色の粘質土層が人為的に形成され、この土層が最初水田に伴う床土（はがね 土）と推定される。 トレンチ最下層の水田遺構は、その形成時期を流入埋土中の土器片や、各トレンチ の所見の在り方等からして、鎌倉期の所産と推定された。 このように公園予定地を中心としたこの谷に開発の手が、おそくとも鎌倉初期には すでに始まっていたと推察される。 - 1 - ☆ 館遺構 予定地の中央北端部分と近接の山裾には、古くから殿屋敷と称する地名が残されて いた。 江戸中期の元文二年（１７３７）に編纂された備前藩の地誌『備陽国誌』にはすで に「藤井孫次郎惟景・元享以前の人 鹿忍の庄の下司とあり、藤井村の人なり、宅地 の跡を殿屋敷と言う今は畑となる。」と記され、当時すでにそのように称されていた ことがわかる。 予定地内で殿屋敷の小字が残った部分にトレンチを入れた結果、捨石状の石組遺構 が検出された。この石組遺構は、伴出する土器から鎌倉前半期の構築と断定された。 遺構の規模や立地の在り方からして、この捨石状遺構は、山寄せ形式の館の土留めの 役割を果たすとともに館前面（南面）を画する意味を持っている。 今回の調査で確認された館跡は、おそらく安仁神社文書や弘法寺文書に散見される 藤井氏一族（中世武士）の館跡と推定される。 ☆ 埋葬遺構 予定地内南西部分に位置する舌状旧領の裾部には、穴状遺構 （Pit）が検出され、 遺構の在り方からして埋葬施設と推定された。Pit 内からは若干の土器片が検出され、 その年代観からすれば中世の遺構と考えられる。また、遺構の検出された層位関係か らもこのことが矛盾しない。 ハ まとめ