头部外伤瀬山刚.PDFVIP

頭蓋骨骨折 頭部外傷 脳神経外科 瀬山 剛 頭蓋骨骨折 骨折のみで手術となることはない しかし頭蓋骨骨折は入院が必要 骨折の中で注意が必要な症例を知る 頭蓋骨骨折の分類 A.頭蓋内外交通の有無 開放性骨折 or 閉鎖性骨折 B.骨折の形状 線状骨折 or 陥没骨折 C.骨折の部位 円蓋部骨折 or 頭蓋底骨折 Ⅰ.診断 Ⅱ.治療 Ⅰ.診断 ①身体所見 ②神経学的所見 ③放射線学的所見 Ⅰ-① 身体所見 ・創の確認 ・特徴的な溢血の有無 ・髄液瘻の有無 ⇒頭蓋内の状態を予測 創の確認 外力がかかった部位の 皮下血腫 近傍で骨折 皮下血腫 特徴的な溢血、髄液瘻の有無 Raccoon eye、Black eye ⇒前頭蓋底骨折 髄液鼻漏、鼻出血 Battle徴候 ⇒中頭蓋窩・錐体骨骨折 髄液耳漏、耳出血 難聴・顔面神経麻痺 Ⅰ-②神経学的所見 原則、神経学的異常所見はない 神経学的異常所見がない ≠ 骨折がない 頭蓋底骨折の場合、 視神経症状、嗅覚障害、難聴、顔面神経麻痺などの 脳神経症状を来す可能性はある Ⅰ-③ 放射線学的所見 頭部CT 頭部X-p (MRI) 頭部CT Air あり 連続性と左右差 ⇒ 開放性骨折 骨の連続性なし 錐体骨に左右差 ⇒ 頭蓋底骨折 ⇒ 陥没骨折 頭部X-p 正面 側面 Towne 撮影 後頭部、頭蓋底に近い部位では CTでは骨折が分からないことが ある Ⅱ.治療 A.頭蓋内外交通の有無 開放性骨折 or 閉鎖性骨折 B.骨折の形状 線状骨折 or 陥没骨折 C.骨折の部位 円蓋部骨折 or 頭蓋底骨折 Ⅱ-A 頭蓋内外の交通 内外が交通することで 中枢性感染症を起こすリスク 開放性骨折には予防的抗生剤投与 Ⅱ-B 骨折の形状 • 線状骨折 原則、経過観察 静脈洞や中硬膜動脈に かかる骨折は注意 陥没骨折 陥没のみなら経過観察 開放性骨折、または陥没に よる神経症状あるときは