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『保元物語』と『平治物語』 『平家物語』 『太平記』 ◆　作者不詳。 　 ◆　鎌倉時代前期に成立したと考えられている。 　 ◆ 『保元物語』（ほうげんものがたり）は保元の乱の顛末を描いた軍記物語である。 保元の乱 鳥羽法皇の崇徳院への譲位問題より始まり、鳥羽法皇が崩御したのをきっかけに崇徳院が挙兵。崇徳上皇と後白河天皇との皇位継承争いを軸に、藤原忠通、藤原頼長の摂関家の対立、源義朝と源為義の源氏の対立、平清盛と平忠正との平家の対立が加わり、崇徳側の敗退、以降の平治の乱、治承?寿永の内乱の予兆までを記す。 保元の乱の両方は武士の力を借て、これは武士階層が日本の政治舞台に登場し始めたことを表している。 作者不詳。 内容：平治元年（1159）、後白河上皇方最大の武力勢力であった平清盛が熊野参詣に出かけた隙を狙って、かねてから藤原通憲と後白河の寵愛をめぐって権力争いを起こしていた藤原信頼が、保元の乱での賞与などで平家の圧迫に不満を覚えていた源義朝を語らって挙兵する。 　この物語は平家政権の全盛や没落、鎌倉幕府の成立などまでを描いた。 『平家物語』（へいけものがたり）は、鎌倉時代前期に成立した軍記物の中の最高傑作で、平家の栄華と没落を描いた軍記物語である。全体に仏教思想が流れている。 　　 　　　　　　　　　　　　作者 　 　　作者については古来多くの説がある。最古のものは鎌倉末期に成立した吉田兼好の『徒然草』で、信濃前司行長なる人物が平家物語の作者であり、生仏という盲目の僧に教えて語り手にしたとする記述がある。 平 清盛（たいら の きよもり）は、平安時代末期の名武将。 伊勢平氏の棟梁?平忠盛の長男として生まれ、平氏棟梁となる。保元の乱で後白河天皇の信頼を得て、平治の乱で最終的な勝利者となり、武士としては初めて太政大臣に任せられる。娘の徳子を高倉天皇に入内させ「平氏にあらずんば人にあらず」と言われる時代を築いた（平氏政権）。 　　　　　　　　　　 内容 　　保元の乱?平治の乱勝利後の平家と敗れた源家の対照、源平の戦いから平家の滅亡を追ううちに、没落しはじめた平安貴族たちと新たに台頭した武士たちの織りなす人間模様を見事に描き出している。 　前半は（巻６まで）平家の興隆を中心にした一半族の栄華を語っており、後半は（巻７から）平家と源氏が数回合戦を経って、平家が没落し、源氏が興起したことを書いている。 平易で流麗な名文として知られ、「祇園精舎の鐘の声……」の有名な書き出しをはじめとして、広く知られている。 祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色盛者必衰の理をあらわす おごれる人も久しからずただ春の世の夢のごとし たけき者も遂には滅びぬ偏に風の前の塵に同じ 祗园精舍钟声响，述说世事本无常。 娑罗双树花失色，胜者必衰若沧桑。 骄奢之人不长久，好似春夜梦一场。 强梁霸道终殄灭，恰似风前尘土扬。 『太平記』（たいへいき）は、鎌倉時代前期に成立し、日本の古典文学作品の一つである。歴史文学に分類され、日本の歴史文学の中では最長の作品とされる 「太平」とは平和を祈願する意味で付けられていると考えられており、怨霊鎮魂的な意義も指摘されている。 構成 と内容 　全40巻で、南北朝時代を舞台に、後醍醐天皇の即位から、鎌倉幕府の滅亡、建武の新政とその崩壊後の南北朝分裂、観応の擾乱、2代将軍足利義詮の死去と細川頼之の管領就任まで約50年間の歴史を書く軍記物語である。 特色 　全体の構想にあるのが儒教的な大義名分論と君臣論、仏教的因果応報論が基調に有り、宋学の影響を受けたとされる。 　影響 　　『太平記』は中世から物語僧の「太平記読み」によって語られ、初等学問におけるテキストの役割や江戸時代には講談で語られる物語の一つとなる。 　　 　　　室町時代には『太平記』に影響され、多くの軍記物語が書かれる。武士にとっても不可欠な兵法書となった。 １．保元の乱にどちらが勝ちましたか。 後白天皇側が勝ちました。 ２．太平記は日本の歴史文学の中でどのような地位がありますか。 最長の作品 ３．太平記の基調は何ですか。 太平記の基調は儒教的な大義名分論と君臣論、仏教的因果応報論です。 * 日本の三国志 *