基本的な考え方-宇治.pdf

第１章 基本的な考え方 戦後、わが国は、生活水準の向上や社会保障制度の充実、医療技術の進歩等により平均 寿命が大幅に延び、世界有数の長寿国となりました。その一方で、出生率の急速な低下と 高齢者の増加に伴い、少子高齢化が進展しています。平成 26 年４月には本市においても 高齢化率が 25.0％となり、４人に１人が高齢者という状況になっています。また、生活 環境の改善等により感染症が激減する一方、生活習慣の変化からがんや循環器疾患などの 生活習慣病が増加し、疾病構造も大きく変化してきました。これらの疾病の増加は、寝た きりや認知症など介護を要する人を増加させるとともに、社会保障費を増大させ、財政を 圧迫する要因ともなり、深刻な社会問題となっています。 また、「食」を取り巻く環境も大きく変化しました。かつての「日本型食生活（米を中 心とした主食・主菜・副菜をそろえた食事）」は日本人の健康寿命の延伸に大きく貢献し ました。しかし、近年は脂質の過剰摂取や野菜の摂取量の減少などによる栄養の偏りや運 動不足から肥満や生活習慣病が増加しています。さらに、朝食の欠食や若い女性のやせ、 高齢者の栄養不足など、現代の「食」に関する問題は多岐に渡っているため、自分自身で 食生活について正しい選択をし、自身の健康を守っていかなければならない時代になって います。 １ 第１章 基本的な考え方 国では、平成 12 年度より展開されてきた国民健康づくり運動「健康日本２１」につい て、平成 23 年度に最終評価が行われ、「健康寿命の延伸」「健康格差の縮小」「生活習慣 病の発症予防と重症化予防」「社会全体として相互に支え合いながら健康を守る環境の整 備」を盛り込んだ「健康日本２１（第２次）」が平成 24 年７月に公表されました。 京都府においては、「総合的な府民の健康づくり指針（きょうと健やか２１）」を、「健 康増進計画」「医療計画」等と一体化させ、新たに京都府保健医療計画（平成 25 年度か ら平成 29 年度までの５か年計画）を策定し、①健康寿命を全国のトップクラスまで延伸、 ②全ての世代が、希望や生きがいを持ち、健康で心豊かに生活できる社会の確立、③地域 や経済状況の違いによる健康格差を生じさせない社会環境の構築の３つの考え方に基づ き、府民・地域・企業・自治体が一体となって目標達成に向けて健康づくり対策を推進し ています。 健康日本２１（第２次）の５つの方向 （１）健康寿命の延伸と健康格差の縮小 （２）生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底 （３）社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上 （４）健康を支え、守るための社会環境の整備 （５）栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康 に関する生活習慣及び社会環境の改善 「きょうと健やか２１（第２次）」の基本的な考え方 （１）健康寿命を全国のトップクラスまで延伸 （２）全ての世代が、希望や生きがいを持ち、健康で心豊かに生活できる 社会の確立 （３）地域や経済状況の違いによる健康格差を生じさせない社会環境の構築 ２ 第１章 基本的な考え方 国では、平成 17 年に「食育」を国民運動として推進していくために「食育基本法」を 施行し、平成 18 年には「食育」の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るた め、「食育推進基本計画」を策定しました。これを契機として、あらためて「食」のあり