流体非线形力学-office.kobe.PDF

開講科目名 流体非線形力学 開講区分 単位数 担当教員 蔦原　道久 後期 2単位 授業のテーマと目標 流体現象において非線形性が本質的となる現象の物理的な意味、および理論的な取り扱いについて理解することを 目的とする。特に流れのパラメータによる摂動展開の手法、各種の境界層の解析、分散性の波動およびソリトンな どについての解析的手法を述べる。流れの不安定性と分岐およびカオスについても概述する。適宜演習を行い、確 実な理解を目指す。 授業の概要と計画 ○圧縮性亜音速流れに対する、流れのマッハ数による正則な摂動展開 摂動法の概要 ○ 非圧縮低レイノルズ数流れのレイノルズ数による展開が破綻する理由 特異摂動法および漸近解の概念の理解 ストークス展開とオセーン展開および接合漸近展開 ○ 境界層の概念と、方程式中の各項のオーダーの見積もり方 座標の引き延ばしと接合漸近展開の一般化 ○ 非線形波動に対する正則摂動法の破綻と永年項 多重スケール展開と可解条件および各種の非線形方程式 ○ 浅水波の方程式からＫｄＶ方程式の導出の考え方 クノイダル波および孤立波解とその性質 ○ 非線形波動方程式のいくつかの厳密な解法 ○ 定常解、分岐および不安定性 サドルノード、交代臨界点、ピッチフォーク分岐、ホップ分岐 超臨界安定、亜臨界不安定 ○ ベナール対流の簡単なモデルであるローレンツ模型の導出 ○カオスとカオスアトラクター カオスの簡単な一般論 成績評価方法と基準 成績は，10回前後提出するレポート(70%)および出席点(30%)の結果を総合して評価する．評価の目安は，講義の内 容を十分に理解し，意欲的に講義に参加したと判断できる場合を優，講義の内容はよく理解したが，講義に対し積 極性が十分でないと判断できる場合を良，講義内容について最低限の基礎知識は習得したと判断される場合を可と する． 履修上の注意(関連科目情報等を含む) 流体力学の知識と微分方程式の簡単な知識のあることが必要である。 オフィスアワー・連絡先 特にオフィスアワーはもうけないが，疑問点があればいつでも質問に応じる。 連絡先：自然科学総合研究棟１号館 ６０３室、tutahara[at]mech.kobe-u.ac.jp，　078-803-6137, 学生へのメッセージ 流体現象は非線形性が本質的な役割を果たしており，線形近似から得られる結論はしばしば大きな誤解を生む。弱 非線形問題に対し有効な摂動法を用いた解析から，非線形性に対する理解を深めてもらいたい。 テキスト なし、ノート講義 参考書・参考資料等 「Advanced Mathematical Methods for Scientist and Engineers」　Bender and Orszag 「Perturbation Methods in Fluid Dynamics」　van　Dyke 「Pertubation Methods」Nayfee 「ソリトンからカオスへ］川原琢治 「流体力学」巽友正 開講科目名 気体力学 開講区分 単位数 担当教員 片岡　武 後期 2単位 授業のテーマと目標 高速な流れが生じると、気体の圧縮性の考慮が必要となる。また音速を超える流れでは衝撃波が発生し、圧力・温 度の急上昇を引き起こす。本講義ではまず流体の基礎方程式を講述し，気体の運動を支配する方程式系である圧縮 性Euler方程式系の導出をおこなう．その後，圧縮性や衝撃波の発生について基礎的な理解をするために、まず一次 元の流れを取り扱い、摩擦を無視しかつ断熱の仮定をおく等エントロピ流れとしての考え方や垂直衝撃波などの事 項を把握する。また斜め衝撃波や，二次元流れの解析、実際の場合に考慮が必要な粘性等の影響を含む境界層流れ などについて述べる。 授業の概要と計画 本講義