包装用容器PDF1994KB.PDF

平成２５年度 意匠出願動向調査報告書（概要） －包装用容器－ 平成２６年２月 特 許 庁 問い合わせ先 特許庁総務部企画調査課 技術動向班 電話：０３－３５８１－１１０１（内線２１５５） － 1 － 第１章 調査概要 第１節 事業目的 意匠出願に関する情報を通して企業のデザイン活動を把握することは、特許庁におけ る的確かつ効率的な審査業務や施策の企画立案のための基礎資料を準備していく上で重 要である。 また、今後、我が国の産業が持続的に発展していくためには、新規事業の創出が不可 欠であり、そのためには、企業等におけるデザイン開発戦略や知財戦略の策定を支援し ていく必要がある。意匠出願に関する情報は、これら企業等におけるデザイン開発戦略 及びデザイン保護戦略の一つの表れであり、将来的な事業戦略の方向性を探る上でも有 効な資料になると考えられる。 本調査では、近年、多様なデザイン開発が行われ、意匠出願が活発に行われている包 装用容器分野について調査を行うこととした。 包装用容器のデザインは、一般的に、商品の情報やその良さを短時間で消費者に伝え る役割、また、開けやすさ、持ちやすさといった機能的価値や中身の印象を左右する情 緒的価値といった商品価値の一部を形成する役割、さらにはブランドイメージを醸成す る役割を担う場合もあると考えられている。本調査では、こうした特性を有する当該分 野のデザインの変遷、デザイン開発及び意匠制度の利用実態を踏まえながら意匠出願動 向を把握していく必要がある。 加えて、包装用容器分野においては国内市場の飽和が指摘されており、今後は海外展 開も視野にいれたデザイン開発戦略及びデザイン保護戦略の重要性が増していくものと 考えられるため、我が国企業等のグローバル戦略に資するよう、デザイン活動の主要国・ 地域である米国・欧州・中国・韓国の意匠登録動向を把握しておくことも重要である。 以上のような背景のもと、包装用容器分野の意匠出願動向及びそれに関連するデザイ ン開発実態、意匠制度利用実態、企業等の活動を取り巻く環境の変化を調査・分析する ことで、我が国企業が今後目指すべきデザイン開発及びデザイン保護の方向性について 検討を行った。 第２節 調査目的 以下の各項目について調査・分析を行うことで、包装用容器分野における意匠出願動 向を把握することを目的とする。 包装用容器分野における日本での意匠出願動向、及び日米欧中韓での意匠登録動向 当該分野におけるデザインの変遷、デザイン開発実態及び意匠制度利用実態の特長 や傾向 当該分野における意匠出願動向と特許出願動向、市場環境、その他の社会背景との 関係性 当該分野における我が国企業が取り組むべき課題の整理に基づく今後目指すべきデ ザイン開発及びデザイン保護の方向性 － 2 － 第３節 調査内容 １． 調査範囲 （１） 調査対象意匠分類 以下の包装用容器（F4-7）に該当する日本意匠分類（平成 19 年 4 月 1 日施行版）を 対象とした（ただし、F4-70 は調査対象から除外）。 表 1-1 調査対象意匠分類（F4-7x） 日本意匠分類 意匠分類の表示 F4-710 包装用容器 F4-711 包装用容器（直方体型）