微小粒子状物质浓変动関统计学的特性.pdfVIP

参考１ 微小粒子状物質濃度変動に関する統計学的特性について 大気汚染物質の環境濃度は、発生源条件、気象条件、地形条件等の影響を受け、一定の 地域内でも時間的に変化する。こうした環境濃度の時間的変化を把握するためには、異なる平 均化時間における測定値の統計学的な相互関連性の解析や異なる地域の測定結果によるト レンド分析を行う必要がある。 このため、2001 年度から実施している微小粒子状物質曝露影響調査等において、一般局 及び自排局で測定を行っている PM2.5 （50℃加熱方式 TEOM）の年平均値や日平均値の測 定結果を用いて、異なる平均化時間における統計学的特性を把握するための整理・解析を行 った。 具体的には、測定局における年平均値と日平均値（日平均値の年間最大値、99 パーセンタ イル値、98 パーセンタイル値等）の統計学的関連性をみるため、全測定局、地域別、測定局種 別に経年的な解析を行った。 また、トレンド分析に当たっては、微小粒子状物質曝露影響調査等の測定結果を用いて、東 京都板橋区、大阪府守口市、福岡県福岡市の 2001 年 4 月 1 日から2008 年 3 月 31 日まで の 7 年間にわたり、毎時測定した PM2.5 濃度測定結果から、その期待値、分散の日内変動、週 内変動、年内変動について、一般化加法モデルを用いて抽出した。 参考1-1 １．年平均値と日平均値の統計学的関連性 測定局における年平均値と日平均値の統計学的関連性をみるため、日平均値の高濃度出 現頻度（年間最大値、99 パーセンタイル値、98 パーセンタイル値、95 パーセンタイル値、90 パーセンタイル値）と中央値を選択して解析を行った（表参考 1.1、図参考 1.1）。 全国の測定局（一般局及び自排局）の測定結果によると、年平均値と日平均値の年間最大 1 値との関連については、ばらつきが大きく、2001 年度から 2004 年度にかけての決定係数 は 0.5 未満であった。年平均値と日平均値の各パーセンタイル値との関係は、パーセンタイルが 小さくなるにしたがって決定係数が大きくなり、年間 98 パーセンタイル値との比較ではすべて の年度で決定係数が 0.8 以上になり、年間 90 パーセンタイル値との比較ではすべての年度で 決定係数が 0.9 以上となった。一般局、自排局別に見た結果も、パーセンタイルが小さくなるに したがって決定係数が大きくなる傾向は同様であり、局種の違いによる特徴は明確ではなかっ た。 年平均値と日平均値の高濃度出現頻度との関連を示す回帰式の傾きについては、日平均 値の年間最大値の場合、年度によって大きく変動し、パーセンタイルが小さくなるにしたがって 年度によるばらつきは小さくなる。年間 98 パーセンタイル値の回帰式の傾きは、年度によって ばらつきがあり、1.2～2.3 の範囲内で推移していた。年間 90 パーセンタイル値の回帰式の傾 きは、1.3～1.6 の範囲内で推移していた。一般局、自排局別に見た結果も、パーセンタイルが 小さくなるにしたがって年度によるばらつきが小さくなる傾向は同様であり、局種の違いによる 特徴は明確ではなかった。 1 2 決定係数（R ）： 相関係数Rの二乗であり、1に近いほど回帰式の精度が高いこと（測定結果の変動の大部分が回帰式に よって説明できること）を意味している。統計学的な基準はないが、一般的には0.8以上で精度が非常 によい、0.5以上で精度がややよい、0.5未満で精度がよくないと されている。 参考1-2 表参考1.1 年平均値と日平均値の関係 PM2.5 (50℃加熱方式TEOM) 全国 一般局＋自排局 日平均値最大値