日本鑛业会志-J-Stage.PDF

425 日 本 鑛 業 會 誌 第58卷 第687號 昭和17年7月 論 説 及 報 告 (禁 轉載) 石英粗面岩 と新期金鑛脈に就ての考察 (渡 邊 懸 賞 當 選 論 文) 正會員 平 井 榮 SOME STUDIES FOR LIPARITE AND YOUNGER VEIN. By HIRAI Eiiti. 目 次 1.緒 言 作用 2.石 英粗面岩と地表裂鑛 6.初 生富鑛帶に就て 3.石 英粗面岩内の裂籐 7.鑛 脈の延長及び深さと 4.裂 纏の完成 石英粗面岩 5.鑛 液の充墳作用と交代 8.結 論 1.緒 言 石英粗面岩と新期鑛脈に就ては屡々學者に依つて褒表さ れ、多くの肯定すべき黙がある。筆者は佐渡鑛山に永年勤 務し、實際に目撃したものを基礎とし考察を進めつゝあつ 職たが ㌧至!底纒まつた理論など完結出來よ ㌦て暗示的なものを掴み得るに過ぎな ,う筈もなく、辛じ かつた。從て議表する には脚 に駕易なデータでしか有りそ尋馳 が、採鑛技儲 の本領として、當該鑛山の鑛床に就て無關心であっては正 しき探鑛が望めない事と、端的な鑛床學的事實でもお互に 第1圖 佐渡 鑛 山鑛 脈 斷 面圖 焚表し合ふとどによつて明日の鑛床學護達が約束されると 伯言ふ信條の下に 大立竪坑地鮎南北斷面1:9,000 、夫れを實行する意味合で愚見を披渥せん とするものである。 1.青 磐脹は大立朕・中尾脹及び鰐口脈を集約した其上 ・ 部に位置し、總合的決定的に偉大な一條の鑛朕となること 2.石 英粗薗岩と地表裂鱗 (これを大青磐朕と呼稻す)。 佐渡鑛山鑛朕斷面圖(表1圖)が 示す現況から遡つて 2.此 大青磐脈は石英粗面岩送入の頂黙を過ぎて護達 卿鑛脹 、 の生成された當時の伏況を假想する爲めに、先づ平行 し、表三紀層の中に於けるもめ(從 來の青磐朕)憶 脈幅最 雌 斷暦によつてたつた青磐朕を元の位置に戻し、次に此圖に 大25mを 有し、石英粗面岩に入りて分岐し、時にホール、 示されてないが、乙斷暦が鑛脹に略直角に働き落差60m スバックをなし(從來の大立脈・鰐口脈・中尾脈) 、更に深 を有するが故、之をも原地に戻すことによつて表2圖 が出 部に到りて次表に細くなること。 來る。 3.七 勘朕・大切脹は石英粗面岩の遊入線に略直角に擴 地第に聡ける浸蝕作用がどの程度であつたかば不明であ 達し、地第附近に於て