水越武写真展-东京都写真美术馆.PDF

東京都写真美術館プレスリリース 水 越 武 写 真 展 大地への想い ピンと張り詰めた緊張感が漂い、 限りなく美しく、 自然は凛とした尊厳を持って存在していた 「ホーク」インド1979年 東京都写真美術館 ２階展示室 ２００７年５月１２日(土)～７月１日(日) 【水越武写真展 「大地への想い」によせて】 東京都写真美術館では、日本列島そしてヒマラヤ、熱帯雨林、アラスカ、パタゴニアなど地球の生態 系と生命の営みをひたむきに撮り続ける写真家、水越武の代表作１６９点を展観する集成展を開催 致します。地球規模で進む自然破壊や温暖化への警告が叫ばれる現在、水越武の写し撮った生命 の多様性と美しさを表現する作品群は、見るものに深い感動を与えることでしょう。 【展覧会内容】 「生態系からみた地球」というテーマに基づき、地球の壮大な自然の営みと、垂直分布から見た日 本列島のさまざまな生態系の様相を表現するカラー作品、そして水越武氏の写真家としての原点で ある穂高、ヒマラヤのモノクローム作品など、代表作を一堂に展観する写真展です。本展は、水越氏 の約４０年に及ぶ写真家活動で撮影された秀作の数々から、さらに厳選した作品１６９点で構成され、 まさに集成展と言うべき内容となっています。 水の誕生によって生命をもつ奇跡の惑星となった地球と、変化に富む多様な生態系をもつ日本列島 を見つめ、森林や湿原の多彩な美しさ、そこに生息する動植物の驚くべき生態、その尊い価値を、フ ィルムに刻み込んできた水越武氏。本展は、見るものに深い感動を与える水越氏の静謐かつ豊穰な 写真世界を一望する絶好の機会となるとともに、私たちの住む地球環境を再考する契機となることと 確信いたします。 水越武氏は、1938年愛知県豊橋市に生まれ、20代の頃、山岳写真家・田淵行男氏の写真集『高山 蝶』に感銘を受け写真の道に進むことを決意。田淵行男氏から山に対するひたむきな姿勢や対象を 捉える洞察力を学びました。そして 1971年に発表されたシリーズ「穂高」は、厳然たる山の神髄を示 し、水越武の名を山岳写真界に深く刻印することになったのです。 日本や海外の山々を撮り続けるなかで、次第に水越氏の関心は山野に生息する動植物へと広がり を見せ、その視線は山頂から「森林限界」「原生林」へと移り、今では地球全体を取り巻く「生態系」が 大きなテーマとなっています。『森林列島』などの近作は、地球規模で進む自然破壊への警告だけ ではなく、「自然の多様性こそが、地球を美しく彩り、豊かな表情を与え、美しく調和させる」という大 地への想いを呈する作品として、見るものに深い感動を与えます。 【作品構成】 １）奇跡の星・地球 -AM iraculousPlanet:TheEarth ヒマラヤ（パキスタン、ネパール、ブータン、中国） 熱帯雨林（ボルネオ、アマゾン、コスタリカ、ウガンダ、コンゴ） イグアスの滝、パタゴニア、ギアナ高地、アンデス、バイカル湖、アラスカ、カナダ 多様性こそが地球を美しく彩り、美しく調和させ、地球の無限のリズムを守る。太陽の子であった地球 は、水を持つことによって奇跡の惑星となった。その後創造と破壊を繰り返し、40億年前には生命が 誕生した。生命は進化と多様化を限りなく遂げることによって、人類を含めた現在の生物の姿となった。 地球の多様性に富んだすべての生き物と、その生き物たちが造り出す多彩な生態系には、40億年の 地史が刻み込まれている。そして、地上のすべての生態系は有機的に繋がりを持っている。 ２）水の回廊・日本列島 –WaterCorridors:TheJapaneseArchipelago 北アルプス、南アルプス、富士山、立山、大雪山、八甲田山、屋久島、知床、八ヶ岳、尾瀬ケ原、 阿寒、黒部渓谷、対馬、熊野灘、オホ−ツク、沖縄、八重山諸島 豊かな水に恵まれ、そのうえ水が美しいことは、日本列島の大きな特徴だ。山も、河も、湖も、森も、す