蛇纹岩地山施工.pdfVIP

別紙―２ 蛇紋岩地山におけるトンネル施工について ― 一般国道２７５号 深川市 幌加内トンネルにおける 蛇紋岩地山の変位挙動と対応について（事例報告）― 札幌開発建設部 深川道路事務所 ○桜井 司 同 上 三浦 篤 同 上 林 実雄 幌加内トンネルに分布する地質は神居古潭帯に属する蛇紋岩が主体である。一般に蛇紋岩地 山におけるトンネル工事では大きな地圧の作用や切羽崩壊の発生など難工事を強いられる事例 が数多く報告されている。本稿はトンネル施工中に行う先行地山調査（水平ボーリング）結果、 計測データ結果等に基づく既施工区間における地山の変位挙動と対応策をまとめると共に、今 後の支保パターンと補助工法の考え方を報告するものである。 1. はじめに 一般国道275号の道路改良に伴って新設される幌加内 トンネルは、深川市鷹泊地内～幌加内町地内間に位置す 幌加内峠 L=1,241m る延長 の山岳道路トンネルである。 幌加内町 幌加内町 トンネルの特徴としては、全線蛇紋岩が分布している 旭川市 旭川市 深川市 こと、起点坑口付近に地すべり地帯が存在し、坑口計画 深川市 はこの地すべり抑止対策を含めて検討していることなど があげられる。 札幌市札幌市 帯広市 帯広市 本稿では、蛇紋岩地山を掘削した事例として、トンネ ル内空変位の傾向と変状状況および対策工について紹介 する。 至美深 2. 工事概要 275 50 一般国道 号は昭和 年に道道士別沼田線から国道 昇格した経緯があり、一部の区間で構造規格が昇格前の ままであることから、平面・縦断・幅員共に未改良区間 となっている。 また、当地は北海道でも有数の豪雪地帯であり、交通 事故発生の大きな原因となっている。 更に、平成７年にはＪＲ深名線が廃止され沿線住民の ライフラインとしての重要性も増加してきていることか ら、現国道の線形を改良することで事故発生を抑え、交 通流を円滑にすることが必要となった。 幌加内トンネルはこの幌加内峠改良区間に計画された 山岳道路トンネルである。