工事管理体制［DOC］.DOCVIP

株式会社　石油産業技術研究所　　保安教育テキスト 第５章　工事管理 目次 １．　工事管理全般 1.1 工事計画 1.2 施工要領 1.3 工事着工許可条件 1.4 工事着工前打ち合わせ 1.5 工事着工 1.6 工事完成 ２．　工事管理体制 2.1 工事管理組織 2.2 工事の規模と管理方法 2.3 毎日の工事管理 2.4 工事役割分担 ３．　安全管理 3.1 安全管理体制 3.2 安全教育 3.3 危険予知活動 3.4 安全パトロール 3.5 緊急時の措置 3.6 工事監督者の安全衛生管理義務 ４．　工事施工上の注意点 4.1 一般事項 4.2 仕切板の管理 4.3 火気使用工事 4.4 高所作業 4.5 足場仮設工事 4.6 容器内工事 4.7 クレーン使用工事 4.8 その他重機使用工事 4.9 トラブル事例 第５章　工事管理 ２．工事管理体制 2.1 工事管理組織 事業所で工事を実施するには、前述したように「安全管理」、「品質管理」、「工程管理」、「コスト管理」などを必ず実施しなければならない。これらを管理するには、運転管理部門、保安管理部門、検査部門、保全管理部門が、工事について自部門の役割を完全に果たし、各部署が協力体制を築かなければならない。そのため工事管理組織が必要になる。 1)　各部署の役割 (1) 運転管理部門 ①工事箇所の確認 ②運転中の装置?設備と工事箇所の縁切り方法を決定（仕切板取付け場所の決定など） ③工事箇所の残油、ガスなどの処理 ④工事箇所廻りの環境整備（火気使用時の排水口シール場所を決定） ⑤工事箇所の、窒素パージ、スチームパージの実施 ⑥火気使用時の立ち会い ⑦工事箇所の監視 ⑧工事現場周囲の装置の運転状況等、環境把握 ⑨工事後の工事完成確認（機能および操作の確認） ⑩試運転などの実施 (2) 保安管理部門 ①高圧ガス保安法、消防法などの申請が必要かのチェック ②工事内容が法令基準に適合しているかのチェック ③工事中の安全に関するアドバイス ④火気使用時の立ち会い ⑤酸欠測定 (3) 検査部門 ①工事に関する適正な検査内容の立案 ②立案された検査項目の確実な実施 ③充分な品質が維持されているかのチェック (4) 保全管理部門 ①工事を実施するための計画立案 ②工事工程の作成 ③施工会社の管理?監督 ④工事施工中の総括的な工事管理（各部門との連絡?調整など） ⑤火気使用時の立ち会い ⑥品質管理 ⑦工程管理 ⑧試運転の立ち会い 2)　施工会社管理体制 工場内で工事を実施するには施工会社の協力が必要となる。施工会社の管理?監督は保全管理部門が行う。 (1) 工事実施前の管理 ①所内で工事を実施する施工会社の責任者以下作業員に至るまで入構者教育を行う。 ②工事を行う作業員の名簿を提出させる。 ③施工会社の組織を提出させる。 ④工事責任者と工事内容を打合せ、工事管理?安全対策などの確認を行う。 ⑤施工会社と保全管理部門の施工管理区分を決める。 ⑥緊急連絡網を作成し提出させる。 ⑦工事責任者の工事経歴、資格などの適性を確認する。 ⑧作業員についても同様に確認する。 (2) 工事中の管理 ①工事実施前に決めた施工管理区分を確実に実行しているか確認する。 ②施工会社の実績工程をチェックし工期が遅れないよう管理する。 ③施工会社の安全対策が工事計画書通り実施されているか確認する。 ④工事責任者の指示事項が先端作業員まで徹底されているか確認する。 ⑤工事が仕様書および図面通り実施されているか品質を確認する。 ⑥工事場所が作業しやすい環境であるか確認する。 ⑦作業員が責任者の指示通りの作業を実施しているか確認する。 ⑧翌日予定表を運転管理部門、保全管理部門、保安管理部門に配布する。 (3) 工事完了後の管理 ①仕様書、図面通りであるか確認する。 ②施工会社の評価を行う。 3)　工事規模による管理体制 工事規模が大きくなると作業員の人数が増加するため、各管理部署および施工会社工事責任者の人数も増加する。このため保全管理部門を総括管理とし工事管理組織を充実させ、定例的に会議などを開催し調整?連絡などの打合わせ決定事項を各関係部署が確実に実行する事が順調な工事の完成に繋がる。 2.2 工事の規模と管理方法 工事を計画?実施する場合においては企業としての管理ルールが明確に確立され、ルールが守られていることが重要である。 役割分担（どこの部署が何をするのか）が明確にされていること。また、実行予算区分についても明確であることが必要である。 工事の規模としては、大きく分け日常突発的に発生する小規模な工事である日常保全工事と、計画的に実施される定期点検補修工事、新設工事、建設工事等の大規模工事があり、それぞれに応じ