现状と课题-堺上下水道局.PDF

第 章　中期実施計画 6 将来像４：川や海の水環境が良好に保たれるまちの実現 1）現状と課題 （１）衛生面での現状と課題 　堺市では、三宝処理区と石津処理区の一部で合流式下水道が採用されています（図6-4-1参照）。合流式下 水道は、雨天時に施設能力を超える下水が処理場に流入することを防ぐために、下水の一部を未処理のまま河 川等へ放流するという構造を有しています。堺市においても、三宝処理区・石津処理区の15箇所の雨水吐口か ら、年間15～74回の未処理下水が放流されている状況であり、吐口周辺や下流域において水利用の安全性と良 好な水環境の確保が課題となっています。 　なお、合流式下水道は、下水道法施行令により、堺市では平成25年度末までに未処理下水の流出削減に向け た対策の完了が義務付けられています。 ～合流式下水道の改善～ Ⅰ.下水道法施行令の改正 　平成12年に東京都お台場海浜公園に白色固形物 （オイルボール）が漂着したことを発端に、合 流式下水道からの雨天時越流水の問題が顕在化したことを受け、国は平成15年に下水道法施行 令の一部を改正しました（平成16年４月1日施行）。改正内容は、合流式下水道等の構造の技術上 の基準の制定及び放流水の水質の技術上の基準等を新たに規定するもので、主な改正点は次の とおりです。 ○雨水吐の構造基準 ・水質基準を達成可能とするため、適切な高さの堰の設置その他の措置を講ずること。 ・雨水吐からの夾雑物の流出を最小限とするようスクリーンの設置などの措置を施すこと。 ○雨天時における合流式下水道からの放流水の水質基準 ・省令で定める降雨（降雨量が10ミリメートル以上30ミリメートル以下の降雨）の際に、合流式下 水道の各吐口から放流されるBOD※で表した汚濁負荷量※の総量を放流水の総量で割った値 が、40mg/Lを超えないこと。 ・なお、施行期日から施行令施行後10年後まで （一部のものは20年）は、BODで表した汚濁負荷量 の総量を放流水の総量で割った値が、70mg/Lを超えないこと。 Ⅱ.対策のポイント 　堺市では、下水道法施行令を遵守するために必要な雨水滞水池の整備、スクリーンの設置等の対 策を、「堺市合流式下水道改善緊急計画」として策定し、計画的に事業を実施しているところです。 36 第 章　中期実施計画 6 図6-4-1　堺市の合流区域 雨天時の放流状況（南島ポンプ場） 図6-4-2　雨水吐の位置図（三宝処理区） 図6-4-3　雨水吐の位置図（石津処理区） 表6-4-1　堺市におけるH22年度現在の合流改善対策実施状況 37 第 章　中期実施計画 6 （２）水質・水量面での現状と課題 　堺市内を流れる河川の多くは、広大な水源域を持たず、基底流量※の少ない都市河川であり、高度成長期に おける急速な人口増と都市化に伴う汚濁負荷流入量の増加によって水質が悪化しました。 　下水道普及率の向上にあわせて、河川のBOD濃度は図6-4-4及び図6-4-5に示すとおり長期的には減少傾向 にあり、水質改善が進むと共に、水生生物の確認種の数も表6-4-2に示すとおり増え