测定と误差について.PDF

実習に役立つ統計学入門 ① 測定と誤差について 実習では、いろいろな定量化の方法を学ぶ。個体や細胞の大きさや重量、酵素反応で生成した物質 の量や濃度、DNA やポリペプチドのゲル電気泳動で移動した距離や分離して得た物質の量など、専 用の測定機器を使って数値化する。個体数や行動パターンのように観察者が１つ１つカウントするこ とによって数値化する場合もあるだろう。実験の種目ごとに定量化の手法はさまざま異なるが、その 後のデータ処理では、統計学的には同じ方法を用いる。数値データの取り扱いについて、一般的なル ールをここでは解説する。 §平均値と標準偏差 右の図は、ある実験で、得られるデータの分布を示 す。●（灰色で塗ったピーク）は、生物試料の元の分 布を示す。重さや長さなど、数値化できるパラメータ の本来の分布注１である。それに合わせて、実験者が計 測して求めた値の例を 2 つ、測定値Ａ （破線、×）と 測定値Ｂ （実線、○）を示す。このように値のばらつ きの程度を示すグラフを確率分布 とよぶ。図の下には、 同じ計測実験を繰り返したときの１つ１つの計測値の 変動（縦方向は経過時間）を示す。 私たちの身長が一人一人違うように、生体試料の特 性を表した元の値（ここでは x と書く）は、けっして 同じではない。個体差や実験条件などが原因となって ばらつき、必ずある広がりを持った分布（灰色で示された分布）となる。一般に、この分布は、正規 分布（ガウス分布）、 1  (x )2  ・・・１） ( )   f x exp 2  2 2     注１ の形で表記することができる。この式の中の を平均値 （mean value、上の例では 40 ）、 を 標準偏差注１ （S.D.、standard deviation、上の例では 4 ）という。標準偏差は、元のばらつきの大き さ、分布の広がりを示すパラメータである。もし、私たちの測定実験の精度が非常に高く、いつも正 確な値を得られると仮定すると、測定値は図中の●印のデータが示すような、元の分布と同じばらつ きになると考えられる。測定回数を多くすればするほど、計測した結果は、ますます、正しい元の正 規分布の様子を正確に反映するようになるであろう。データ数が多くなると、求める平均値や標準偏 統計 1 差が、さらに正確になる。一般に、 1 2 (xi m)2 注２ i ・・・２） m   x ,     i  n i n 1 の式を使って、 と の値を、それぞれ、計測値から推測する。x は、１つ１つの実測値（i 番目の i 注１ 値という意味、標本 ）、n は測定の回数（標本数）を示す。 および  は、元の確率分布（式   １）の中の 、 とは厳密には同じではなく、あくまで推測された値である。もとの や の予測 値（期待値という）に過ぎない。＜＞は期待値で、統計学的な処理によって得られた推定値であるこ とを示す。エクセルの=AVERAGE （数値1、数値 2、...）は  を、=STDEV