矿害防止支援事业-JOGMEC.PDF

鉱害防止支援事業 ～休廃止鉱山における鉱害防止対策を推進するために～ 金属環境事業部 1. 鉱害発生メカニズムと 鉱害防止対策の概要 【1】鉱害発生のメカニズム 　金属鉱山では主として硫化鉱物を採掘するため、閉山後においても採掘跡には黄鉄鉱（FeS2）、黄銅鉱 （CuFeS 2）、閃亜鉛鉱（ZnS）、方鉛鉱（PbS）などの鉱物が残り、これらが地下水や空気中の酸素と反応して 酸性で重金属を含んだ坑廃水を発生します。また、鉱業活動によって発生する廃石（ズリ）などのたい積場 についても雨水などにより金属が溶出するため鉱害の発生源となり、また、ズリ自体の流出や風による飛散 なども問題となります。 降雨 休廃止鉱山等の 鉱化帯 坑道 坑水 集積場 地下水 廃水 酸素 O2 坑廃水 水 H2O 鉱石 （黄鉄鉱、黄銅鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱などの鉱物を含む） ■ 反応式　Chemical Reaction formulas 黄鉄鉱 Pyrite: FeS2+7O+H2O　　FeSO4+H2SO4 黄銅鉱 Chalcopyrite: CuFeS2+8O　　CuSO4+FeSO4 閃亜鉛鉱 Sphalerite: ZnS+4O　　ZnSO4 方鉛鉱 Galena: PbS+4O　　PbSO4 【2】排水基準と環境基準 　鉱害防止対策の水質改善目標として排水基準や環境基準が用いられています。排水基準は、水質汚濁 防止法における排水規制の対象となる工場、事業所が守らなければならない基準です。また、環境基準は、環 境基本法の規定に基づき、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、 人の健康を保護し、生活環境を保全するうえで維持することが望ましい、行政上の目標として設定されています。 ＜排水基準＞　National Effluent Standards 汚染物質　Pollutants 基準　Standards 有害物質 カドミウム及びその化合物 Cadmium and Cadmium compounds 0.1 mg/l Harmful シアン化合物 Cyanogen compounds 1 mg/l substances 　 有機燐化合物（パラチオン、メチルパラ Organophosphorus compounds （Parathion,