松江大根岛牡丹输出现状.pdfVIP

「松江大根島牡丹」輸出の現状 2006 年 11 月 6 日 21 世紀政策研究所 研究員 横田 洋之 「松江大根島牡丹」輸出の現状 21 世紀政策研究所 研究員 横田 洋之 1. はじめに 1 2 島根県松江市八束町 の大根島（だいこんじま） は牡丹の生産量で国内トップであり、約 9 割のシェアをもつとみられている。1955 年頃から同地で本格的に生産されている「松江大根 島牡丹」3 は、1960 年代後半頃からオランダや米国向けに始まった輸出が、現在では全出荷量 の 30%以上を占めるとみられている。その背景には高い品質や生産技術などがある。また政府 が農産物の輸出倍増計画を掲げる中、先進事例として新聞等メディアにも取り上げられている。 そこで本稿では、関係者への取材と文献調査を基に、この「松江大根島牡丹」輸出の現状に ついて紹介し、今後の課題等について考察する。 （1） 大根島の概要 大根島は島根県北東端に位置し、島根半島と鳥取県弓ヶ浜に囲まれた中海に浮かぶ総面積 5.97 ｋ㎡の島である。1968 年の干拓事業で半島と陸続きとなった。年平均気温は 15.8℃、年 間降水量は 2,002mm4 と比較的温暖でかつ雨の多い気候である。 人口は約 4,300 人であり、牡丹の他に国内有数の薬用人参の産地でもある。農家数は 350 戸 程度であるが、そのうち牡丹農家は約 140 戸である（図表 1）。 5 図表 1：八束町（旧八束町）の人口等 人口 総世帯数 農家数 牡丹農家