粘土基础讲座I-日本粘土学会.PDFVIP

粘土科学 第44巻 第3号161-166(2005) ―粘土基礎講座I― 粘 土基礎講座Iワーキンググループ連載解説 粘土 と人 とのかかわ り 西 山 勉 東洋大 学経済学部社会経済 システ ム学科 〒112-8606東京都文京 区 白山5-28-20 e-mail:nishiyam@toyonet.toyo.ac.jp Clays and Human Race Tsutomu Nishiyama Departmentof SocialEconomicSystems, Facultyof Economics,ToyoUniversity 5-28-20, Hakusan,Bunkyo-ku,Tokyo112-8906,Japan 1.は じめ に 2.粘 土 と人 とのかかわ り 粘土 ・土は大地にあ り,大地がみせ るさまざまな変化 2.1.人と土 ・粘土 との接点 の場 において,そ の変化 を担い,ま た変化 を促す存在 と 人は生物である.その意味では人 と粘土 とのかかわ り して大 き くかかわ りをもってきた. は，生物誕生 と生物進化への粘土のかかわ りに遡れ よう. 大地に立った ヒ トはそのよ うな粘土 ・土を含む大地 に 生 命 の起源 に果 た した粘 土 の役 割 につ い て, 支 え られなが ら生活 し,また粘土 ・土 とのかかわ りを通 Bernal,J.D (1952)は粘土の有機分子 を吸着す る特性 と じてその暮 らしを大 き く変 えもした. 触媒能そ して結晶構造の特性 は生物誕生に向か う化学進 人は,大地に生 じる万象をそのままにせず,そ の事象 化 に粘土がかかわった といい,ス ミス(1989)は最初の に興味を持ち,また大地に働 きかけもして大地がみせ る 生物はコロイ ド状態の微結晶の粘土鉱物であって,そ れ 様子か らさまざまに知識 を得てきた.そ の知識 を基 に生 を現在 に繋がる生物がDNA生 命の遺伝的乗 っ取 りをし 活の場 を広げ,生活様式や生き方 を変 え,さ らに知識や たのだ との仮説 を立てた.21世紀 を歩み始 めた我々は海 認識の枠 をひろげた. 底の濁 った堆積物の中とか,水 が溜まった地殻の間隙の 人は社会 をつ くって知識 を蓄積 し,共通認識 を育て 奥深い部分な ど,地下の環境 を生命 の発祥地に指 し示す た.ま た生産活動 を分業 し,経済活動 を活発 に行い,活 とウォル フ(2003)はい う.海底の堆積物,地 殻の間隙 動の域 を広げたが,そ の結果 これまでに社会はさまざま は粘土が存在す る代表的場所である.また生物か ら粘土 に変 わ り,盛えもまた衰 えもした.土 についてみれば人 鉱物 が形成 され るとの報 告 をKohlerら(1994)はし は今 日大地に地球規模での都市化 ・砂漠化への変化 をも た. た らし,土壌が土 さらに岩石へ と無機化す る状況 を作 り 生物 ・生命 の誕生 ・存在 が地球外起源 でない とすれ 出 してい るようだ. ば,地 球が誕生 した45.5億年前か ら5.5億年経過 した頃 その間にも土 ・粘土の一般的 ・普遍的な物質的特性 は の無生物時代 に地球