日本人文地理讲义.pdfVIP

日本 人文地理」講義 PART 日本列島の成り立ち 1. 火山・地震・氷河……地殻変動でつくられた壮大な地形 ⑴ 阿蘇山は富士山より圧倒的に高かった!? 静岡県・富 士山 日本でいちばん高い山は富士山だが、かつては富士山より 高い山があった。阿蘇山である。現在の阿蘇山は、外輪山に 囲まれた広いカルデラ（スペイン語で鍋の意）となっており、 カルデラのなかにいくつもの町や村があるが、太古の昔は、 現在の富士山よりもはるかに高くそびえる山だったのであ る。 阿蘇山のあたりは、一説によると、かつては海だったとい う。何十万年も前、九州は二つの陸地に分かれていた。 熊本県・阿蘇山 それが南北の陸地の間に横たわっていた海峡の底で海底 火山の大爆発がつづき、おびただしい溶岩流に海が められ て南北の陸地がつながった。そして、それまで海峡だったと ころに巨大な阿蘇山が誕生したのである。 当時の阿蘇山の裾野は、東西47 ㎞で南北46 ㎞。その 広い裾野からそびえ立っていたのだから、驚くほど巨大 な山だった。 だが、そのあと何度も大噴火が起こって大量の溶岩が噴出するうちに、阿蘇山の底に大きな空洞がで きていった。その空洞が広がっていき、ついに巨大な山の重みに耐えられなくなって、裾野の一部を残 して大陥没が起こったのである。現在の外輪山は、この大陥没のときに残った裾野の一部なのだ。 このようにしてカルデラが形成されたのは三万年以上も前のことで、当初、外輪山の内側は巨大な火 口湖となっていた。 その後、中央火口丘群が噴出したとき、北と南に阿蘇谷と南郷谷ができ・カルデラ外に流れ出る河川 もできた。そして、現在のように湖がなくなり、広大なカルデラとなったのである。 ⑵ 本近海の海底は、なんと四つのプレートの交錯地帯！ 日本は火山と地震がずいぶん多い。それも当然である。プ レートの境界では地殻変動が活発だというのはプレートテク トニクスの常識だが、日本列島とその近海は、なんと四つもの プレートの境界に位置している。 おおざっぱにいえば、まず、西日本は「ユーラシアプレート」 の上に乗っており、そのすぐ南の海底は 「フィリピン海プレー ト」の上に乗っている。東日本は「北米プレート」の上に、そ の南東の太平洋は 「太平洋プレート」の上に乗っているのであ る。 このため、日本近海の海底地形は世界でもちょっと珍しいぐ らい複雑だ。 まず、プレートの境界で海側のプレートが海底にもぐり込む 1 PDF created with pdfFactory trial version ところでは海溝ができる。 そのため、四つのプレートがぶつかる日本近海にも、「千島・カムチャツカ海溝」「日本海溝」「伊豆・ 小笠原海溝」「琉球海溝」と海溝が多い。 例えば、日本海溝は太平洋プレートが沈み込んでいる場所である。伊豆・小笠原海溝はもっと複雑で、 東が太平洋プレート、西は相模トラフより北が北米プレートで、南がフィリピン海プレートといわれて いる。 この海溝でプレートが海溝にもぐり込むときには火山活動が起こりやすい。 海溝があるところには必ず火山活動が起こっており、日本列島の火山活動はすべてこれが原因で起こっ たものである。 同じ理由で、日本近海には海底火山が多いが、「海山」といっ