航法-日本气球连盟.PDF

第 4 章　航法 4.1 航法とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4-1 4.2 航法の基礎知識 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4-1 4.3 フライトプランと航法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4-10 NKR-PHB-Ver.3.0 第 3 部 4 章 Rev.1.00 第4章 航法 4.1 航法とは 熱気球が目的地まで安全に飛行するには、常に自機の現在位置、進行方向、速度を把握し、 目的地までの距離、方向、時間を知らなければならない。これらの測定を行い、結果に基づき目的 地まで安全に導く技術を航法（navigation）という。 熱気球の飛行を成功させるためには、地文航法（地上の海岸線、河川、街、道路、鉄道線路、 橋などの固定した目標を見ながら、自機の位置を確かめる）と推測航法（得られている速度、方位 から推定される進行方向を予測する）の両方を用いて、ルートを検証しながら飛行しなければなら ない。 ここで、航法を成功させるために必要な基礎知識を以下に説明する。 4.2 航法の基礎知識 • 速度： 気球における速度は、一般的に対地速度（地面に対する速度）のことであり、単位と してkt( ノット)、km/h、m/sec などが使用される。他の航空機では、対気速度（大気に 対する速度）も用いられるが、気球の場合は、対気速度は基本的にゼロなので、速度と いえば対地速度のことを言う。 1kt(ノット) は 1 時間に 1NM(Nautical Mile、ノーティカルマイル、海里)進む速さのこ と。1NM=1852m。NM は航空や航海で一般的に使用される単位で、緯度 1 分の平均距 離のことであり、航海における航法計算の利便性から使用されてきたものである。 したがって、 1kt = 1NM/h = 1.852km/h 秒速で表すと、 1kt = 0.514m/sec ≒ 約 0.5m/sec 1m/sec = 1.94kt ≒ 約 2kt (ちなみに、1 つの覚え方として、カレンダーの 1 日の列を縦に見ると、1 日、8 日、15 日、22 日となっているので、1 の位だけ並べると 1852 となり、1NM と同じになる) また、アメリカなどで陸上での距離を表すのに使われているマイルは SM(Statute Mile、 法定マイル) のことであり NM とは異なる。1SM は 1760 ヤード、約 1609.3m である。 • 高度： 高度の単位としては、ft(feet、フィート) もしくは、m(メートル) が使用される。ft は ヤードポンド単位系の長さであり、12inch(インチ) = 1ft である。 1ft = 30.48cm = 0.30m • 絶対高度と気圧高度 • 絶対高度： 地上もしくは水面からの垂直距離、すなわち、実際の距離のことである。飛行中の 航空機は、自らの絶対高度は電波高度計等を用いないと測定できない。 • 気圧高度： 標準大気の、気圧と高度の関係を基に、その位置の大気圧を換算して得られる高度 のことである。気球で一般的に使用されている気圧高度計が示す高度は気圧高度で ある。すなわち、気圧高度計は気圧高度を測る計器ということである。 NKR-PHB-Ver.3.0 第 3 部 4 章 Rev.1.00 4 - 1 • MSL とAGL ： 高度は、基準の取り方により、一般的に 2 通りの表し方がある。 AGL ：above ground level ：対地高度(地上からの高度) MSL ：mean sea level ：海抜高度(平均海面からの高度) 気球においては、他の航空機とのやり取りや、飛行通報などには MSL を利用し、地 上の障害物からの距離などを表す場合は一般的に AGL が使用される