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第３部 大切岸現況調査 ＜ 目 次 ＞ １章調査目的及び方法――――――――――――――――――― １ １．目的――――――――――――――――――――――――― １ ２．調査対象範囲――――――――――――――――――――― １ ３．調査方法――――――――――――――――――――――― １ ２章 調査結果――――――――――――――――――――――― 2 １． 分布地質――――――――――――――――――――――― 2 ２． 斜面の安定性について――――――――――――――――― 3 2.1南西側 （切通側）―――――――――――――――――― 3 2.2北東側 （逗子ハイランド側）――――――――――――― 3 ３章評価――――――――――――――――――――――――― 5 １． 安全に対する留意事項――――――――――――――――― 5 ２． 対応方法―――――――――――――――――――――― 5 2.1 ハード対策――――――――――――――――――――― 5 2.2 ソフト対策――――――――――――――――――――― 5 ３．今後の対応方法―――――――――――――――――――― 5 2 １章 調査目的及び方法 １．目的 第１切通については、これまで調査対策工が実施されてきている。しかし、大切岸は、 通行の安全性を考慮した調査は実施されていない。 そのため、史跡整備に向けた各箇所での崩落の危険性等の安全性の確認を目的として、 目視による調査(地表地質踏査)を行った。 ２．調査対象範囲 大切岸と対象とし実施した。 ３．調査方法 調査は、縮尺１：500 地形図を基に、斜面の安定性、落石の供給源である浮石・転石 の有無の確認、安定性の確認を行った。また、大切岸は、垂直の崖 （最大高さ10m 前 後）から構成されるため、崖の崩落の有無についても確認を行った。 - 1 - ２章 調査結果 図2-1 に大切岸状況図を示す。 １．分布地質 大切岸を構成する地質は、池子層凝灰質砂岩、凝灰質シルト岩等の互層からなる。凝 灰質砂岩層には軽石、スコリア等が認められる。 地質構造はほぼ水平であり、崖に対し流盤等は確認されない。 ※スコリア ：火山砕屑物の一種。多孔質で見掛け密度が小さく、黒色 ・暗褐色など の黒色系を示す。 大切岸南西側 （切通側）、法性寺より - 2 - ２．斜面の安定性について 大切岸は高さ５～10ｍの垂直の崖から構成されている。崖は、池子層凝灰質砂岩、 凝灰質シルト岩の互層から構成されている。植生状況から南西側 （切通側）と北東側 （逗子ハイランド側）に分類できる。以下にそれぞれについて示す。 2.1 南西側 （切通側） （１） 現況 畑跡であり、現在、平場は草地となっている。 崖は高さ５～10m 前後の垂直な崖を形成している。崖を構成する池子層は互層沿 いに風による浸食をうけ、凹凸を形成している。特に斜面下部では浸食により最大 1.0m ｵｰﾊﾞｰﾊﾝｸﾞしている （図2-3,写真O-2 参照）。 2) 安定性について 崖の凹凸部分では小規模な縦方向の割れ目が形成されており、径20cm 前後の落 石が確認された。崖内では多数の箇所で同様の緩み箇所を確認しており、今後、径 10-20cm 前後の落石 （表面剥離）が発生するものと考えられる。 図2-1 に示すO-1,O-3 地点では、縦方向の割れ目沿いに緩みが進行し、浮石化し ている箇所が確認された。規模を以下に示す。 ・O-1 地点 ：2.0×1.0×0.5ｍ ・O-3 地点 ：5.0×2.0×3.0m