异色頴関遗伝子地理分布.pdfVIP

異色頴に関する遺伝子の地理的分布 : 稲の交雑に関する Title 研究、第LⅩⅩⅦ報 Author(s)前川, 雅彦; 木下, 俊郎; 高橋, 萬右衞門 Citation Issue Date1981-03-20 Doc URL /2115/13365 Right Type bulletin Additional Information Instructions for use 黒色頴に関する遺伝子の地理的分布 一一稲の交雑に関する研究，第LXXVII報本一一一 前川雅彦・木下俊郎・高橋高右衛門 (北海道大学農学部作物育種学教室) を検定親に用いて，世界各国より収集した系統に 緒論 ついて黒色頴に関する遺伝子型を能率よく推定す イネ (0ηzasativaL.)の成熟頴が黒変化す る方法を考案した。また，実際にこの方法を適用 2 ) る遺伝形質は.CHA0 によってはじめて遺伝 して，約150系統について遺伝子型を判定した。 子分析の対象とされた。その後，多数の研究者に 因にBh B 1と んの各遺伝子に関する地理的偏在性 よる報告があり日帆即2，1ベ本形質に対して 1 は，イネ品種の分化とも関連を有すると考えられ 対，瑚2対2，9，\0)あるいは3対山帥の優性補足遺伝子 るので，生殖的隔離機構に関する遺伝子との関連 の関係する場合が知られ，その中の 1対はフェ などをも含めて考慮するならば，今後のイネにお 9 Phであると考えられてい ノール反応遺伝子の ) ける生態型の分化の研究にも資する所が大きいと る。きらに長尾・高橋ωは，日本型とインド型との 考えられる。 交雑Fdこしばしば黒色頴の生ずることを認め，補 実験材料および方法 足遺伝子が日本型とインド型に分れて存在するこ とを見出した。栗山ら9)は，黒色頴に関する 2種の 遺伝子分析に供した材料は Table1に示す 11 遺伝子の 1つはPhで，その地理的分布は日本型 系統である。日本型とインド型系統の交配は，温 とインド型で偏りのあることを報告した。一方， 室と短日処理を利用して，開花期を互いに調節す 木下ら7)も黒色頴の3種の補足遺伝子のうち.Ph ることによって可能で、あり，そのほとんどを北海 B 以外のBh んがそれぞ、れインド型と日本型に 1と 道大学農学部において実施した。 F Fは一部弘 1と 2 分れて存在することを確認した。補足遺伝子の 1 前大学農学部附属金木農場に，他は北海道大学農 つであるPhについては，その地理的分布がすで 学部附属世代短縮温室やビニールハウス内て栽培 に明らかになっている4ふ15)が，他の2遺伝子.Bh された。遺伝子分析では，検定系統との交雑のF 1 1 と B~に関しては，交雑 F における表現型や遺伝