相容化基础概论-J-Stage.PDFVIP

●特集-相容化技術● 相容化基礎概論 東京工業大学工学部 井上 隆 TakashiINOUE 相容化という用語は，材料開発研究の努力目標を表わす標語であり，具体的な内容は実に曖昧で ある．しかし，大変便利である．問題はあまりにも多様に使われる点にある．その中味について の科学的な理解が進めば，必ずより適切な表現ができるはずである．成形加工との関連で相容化 の新しい視点も生れつつある．そこでも内容が明瞭になるまでは，便利さが勝ってしまう． た時点で相容性 とい う用語 は死滅す るはずである．それ Lは じ め に までは使 われ続 けるであろう． 相“容 ’とい う用語は ，1981年「ポ リマーアロイ，基 最近，相溶性 がせん断速度や圧力な どの外場の影響を 礎 と応用」で登場 した1と英語のcompatibilityに対応す 受 けることが明 らかになってきた．押出機や射出成形機 る日本語 として 相“容性”が生まれた，本年6月 はじめ な どを用いた成形加工時の相溶性， これ は実用的には最 にイタ リアで開催 された国際学会2｝での招待講演 の演題 も重要 な ことであるが， これ についてはほ とんど判 って として いない．残念 なが ら相容性 とい う用語 の生存意義 が ここ . In-situ compatibilization of immiscible blends にもある．以上の概論を具体例に沿 って以下でよ り詳細 0Novel reactor compatibilized alloys of に観 てい くこととす る， 0 Compatibilization of PET/PP blends 2．相互作用パラメターZの 大小 による相容性 とい った形 で使 われてい る． この3例 では 相“容化” (compatibilization)の意 味す ると ころは， 異“種 ポ リ 相溶性(miscibility)は，異分子がセ グメン ト次元 で溶 マーA／Bの単純 なブ レン ドでは， ど うにもな らない け合 って一相 となっている温度範囲な らびに組成域(濃 (ほどに劣悪な材料 にしかな らない)が ，A／Bに何 らか 度範 囲)の広 さで議論 され る． これ らの範囲が広いほど の細工 を施す ることによって，優れた材料 に仕上 げるこ 相溶性が よいとい うことにな る．っま り，温度 丁。，，組成 ど である． しか し，その内容 をよくよく考えてみると の相 図において，ガラス転移温度Tgと熱分解温度Tdの 実に非科学的である．できれ ば避 けたい用語である． し 間で一相 の領域が広いほど，相溶性が良好である と判定 か し相容化 の科学技術 的内容 が必ず しも明瞭でない現状 され る(図1)．定量的に議論す るには，相互作用パ ラ においては，その便利 さが勝 って しまう， メーター κABを求 める必要がある． κABは混合 自由エネ これ以外 の意味で も 相“容性”が使われている，A／B ル ギー、ゴ0： は非相溶(immiscible)であるがA／Cは相溶(miscible) である場合，Aに 対 してCはBよ りも相容性 が良いと 言 う． この場合 の相容性 は明 らかに相互溶解性(mis－ φf：体積分率，mi：重合度 cibility)を意味する．CがBを 主成分 とす る共重合体で にお けるcombinatorialエン トロピー寄与(第1項 ＋第 あれば，共重合 によって相容化 に成功 した