专门高校教育と知财教育-日本弁理士会.PDFVIP

専門高校教育と知財教育 特集《パテントコンテスト及びデザインパテントコンテスト・知財教育》 専門高校教育と知財教育 徳島科学技術高等学校 電気技術類情報通信コース 教諭 島田 章伸 要 約 徳島科学技術高校は徳島市内の二つの工業高校と県南部の水産高校が統合し，平成 2 1年度に開校された新 しい学校です。本校は単なる高等学校 3 校の合併ではなく，新しい発想や柔軟な取り組みなど今までにない 新しいタイプの専門学校を目指しています。開校以来，校内だけの教育にとどまることなく，校外に向け多種 多様な事業にも積極的に取り組んでいます。その中の一つとして取り組むこととなったのが知財教育です。担 当教員もほぼ知識のないところから始めていますので初歩的な内容ではありますが多くの知財に係る方々の協 力を得ることができ，校内にも少しずつ知財に対する積極的な姿勢が根付いております。3 年間の取り組みの 概要ですが現在の専門高校の現状も含め紹介させていただきます。 目次 １．はじめに ２．知財教育との出会い ３．知的財産教育初年度 ４．初年度を終え ５．パテントコンテストへの挑戦 ６．2 年目を終え ７．より実践的な考案をめざして ８．今後の取り組み ９．最後に １．はじめに 徳島科学技術高等学校正門 人口 80 万人弱の徳島県には 5 つの工業高校があり 本校は全日制 6 類 11 コース，定時制 2 類 3 コース ました。しかし，昨今の流れである高校再編の中で徳 が設置されました。3 つが大学進学に重点を置いた 島市に位置する徳島工業高等学校と徳島東工業高等学 コース，8 つが従来の工業高校の伝統を引き継ぐ，専 校の統合が決定しました。そこに県南の日和佐町で県 内の水産教育を 70 年以上担ってきた水産高校を加え 3 校の再編統合により徳島科学技術高等学校が開校さ れることとなりました。 徳島科学技術高等学校は，就職希望者だけでなく従 来の工業高校では軽視しがちであった進学希望者の両 者を支援する教育システムを構築し，これからの科学 技術の高度化・複合化に対応できる人材を育成するた めに設立された総合型専門高校で，新しい校舎で，新し い施設・設備を使って，新しい教育内容で新しいスタッ フとともに学習し，卒業時には，就職・進学など希望す る進路に進んでいくことを目標とし開校されました。 本校の設置学科 Vol. 66 No. 2 − 63 − パテント 2013 専門高校教育と知財教育 門性を身につけることに重点をおいたコースです。計 ３．知的財産教育初年度 8 類 14 コースで平成 21 年 4 月にスタートしました。 担当者である私自身が知財に関 して全く知識のない 近年の少子化による生徒数の減少，なかなか反転の 状態からのスタートでしましたので，まずは私の所属 兆しの見えない日本経済の中で体力を消耗していく製 する情報通信コースの 3 年生に本事業の協力推進校に 造業，その影響もあり人気が減少していく技能職を育 選ばれたことを周知し，工業所有権情報・研修館編集 成する工業高校。そのような環境の中で各工業高校は の産業財産権標準 テキストや教育用 DVD 等で産業財 元気をなくしつつありました。かつては県内の工業高 産権の基礎 を学習しました。ただ，これは校内の一部 校でもクラスに 40 名以上の高校生があふれ，一学年