基础力学A.PDF

基礎力学Ａ （2011 年度 1 学期木曜１限） １D201 8:40 - 9:55 担当 守友 浩 自B607 目 次 Ｉ．力学で学ぶこと １．位置と速度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ２ ＩI．運動の法則 １．慣性の法則 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・６ ２．運動法則 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・６ ３．作用・反作用の法則 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・７ ４．運動量と力積 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・８ ＩI Ｉ．運動とエネルギー １．一次元の運動―等速度運動と等加速度運動―・・・・・・・・・・９ ２．斜面に沿う運動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１０ ３．単振動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１１ ４．一次元のエネルギーの保存則・・・・・・・・・・・・・・・・１２ ５．二次元の運動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１４ ６．運動エネルギーと仕事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１７ ７．力のポテンシャルとエネルギーの保存則・・・・・・・・・・・１９ （参考文献） ・ 「力学」 戸田盛和（岩波書店）物理入門コース ・ 「力学Ｉ」 原島鮮 （裳華房） ・ 「力学」 近藤淳 （裳華房） 1 Ｉ．力学で学ぶこと 力学とは、１７世紀にニュ―トンが作り上げた｢運動が力によってどのように変化するか扱う｣学問で ある。空間とは独立に流れる時間を用いる「時間」を用いるのが、ニュ―トン力学の立場である。19 世 紀末から 20 世紀初頭にかけて、アインシュタインが相対性原理と提出し、空間と時間は無関係ではな いことを示すまでは、ニュ―トン力学は厳密に正しいとさえ思われていた。今日でも、光の速度に比べ てはるかにおそい運動に対しては、ニュ―トン力学は正しいと見なして構わない。 １． 位置と速度 座標系 物体の位置を記述するに は座標系が必要である。三 つの軸が直行している座標 系を直交座標系と呼ぶ。空 間の一点 P を表す３つの変 数(x , y , z ) を座標と呼ぶ。 位置ベクトル 原点 O から点P に引いた ⎛x ⎞ ⎜ ⎟ 矢印を点 P の位置ベクトルを呼ぶ。点 P の位置ベクトルは矢印を使って、v と表す。点P r ⎜y ⎟ ⎜ ⎟ ⎝z ⎠ v v v の座標は、位置ベクトルの成分を呼ぶ。x 軸、y 軸、z 軸に沿って単位長さのベクトルをi , j ,k