血液透析患者实态调查报告书-日本透析医会.PDF

2016年度 血液透析患者 実態調査報告書 全国腎臓病協議会、日本透析医会、統計研究会の共同調査 2016 年度血液透析患者実態調査報告書の 発行にあたって 全国腎臓病協議会は、1971 年の結成時から、おおむね５年ごとに当会の会員を対象に、⾎液透析患者 の医療と⽣活に関する全国実態調査を⾏ってきました。今回の調査は、10 回⽬となる節⽬にあたります。 近年から続く患者会への加⼊者の減少から、会員を対象としたこれまでの調査では、透析患者の実態 を正確に反映した結果を得るのは困難と判断し、今調査から、⽇本透析医会を通し、協⼒医療機関の全 ての患者へ調査対象を広げることにしました。 その時々の透析患者の治療や⽣活の実態は、患者の回答だけでなく、医学的内容は、その患者の主治 医に回答いただく⽅法によって医学的側⾯に関連づけられ、公的な調査では得られない調査結果として、 これまでも注⽬されてきました。 本調査結果は、患者の実態をより正確に反映した報告書として、今後も患者の医療や⽣活の向上をめ ざす当会の政策提⾔に活⽤していくことはもちろん、引き続き多くの分野で活⽤されることを期待して います。 最後に、本調査報告書作成にご尽⼒、ご協⼒いただいた関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。 ⼀般社団法⼈全国腎臓病協議会 会⻑ ⾺場 享 血液透析患者実態調査報告 ：10 回目を迎えて 全国腎臓病協議会（全腎協）、⽇本透析医会、統計研究会３者の共同事業である 2016 年度⾎液透析患 者実態調査報告書が上梓されました。前回調査（2011 年）から５年ぶりとなるこの調査で患者さんの実 態はどのような変化を遂げたでしょうか。 この間透析患者数は 30 万５千⼈から 33 万⼈へと増加し、患者さんの年齢も 66.6 歳からさらに⾼齢 化が進みました。糖尿病に関連する腎臓病で透析に⼊られた患者さん、加齢や⾼⾎圧が原因となった腎 硬化症患者さんの割合も増加しています。⾼齢者や糖尿病の患者さんは動脈硬化など⾎管病変が⾼度で、 また感染症にかかりやすく、重症化することが多く、治りにくいこともよく知られています。こうした 患者さんの背景から、⼼臓・⾎管系の病気や感染症が透析患者さんの死亡原因の上位を占め、とくに感 染症による死亡が増加しています。⼀⽅で、⾼齢化や重症の動脈硬化を合併する患者さんの増加にもか かわらず、患者さんの死亡率は悪化せず、この間の⾼齢化を勘案すると、患者さんが実際に亡くなる危 険性はここ 25 年間で半減した、との研究報告も⾒られます。こうした事実は国際的な共同研究で、⽇ 本の⾎液透析患者さんが先進諸国中最も亡くなる危険性が低い、という結果からも裏付けられています。 しかし、これらは医師の実施する調査をもとに得られたデータで、実際に治療を受ける患者さんの⽇ 常⽣活や⽇々何に悩み、苦労しているのか、医療や医療者に何を求めているのか、将来にどのような不 安や期待を抱いているのか、など患者さんの⽣の声を調査したものではありません。1972 年に始まり、 76 年、82 年、86 年、91 年、96 年、2001 年、2006 年、2011 年を経て、今回 10 回⽬となるこの調査を振 り返ると、透析医療の進歩や社会の変化に応じ、その時々の患者さんの⽣の声がどのような変遷を遂げ、 何が課題になり、患者さんがどういう期待を抱いておいでであったか、を知ることができます。そうし た意味で、今回 10 回⽬の調査結果には、とくに注⽬が集まります。 こうした⽣の声に応える医療を展開していくのが医療本来の姿であり、全腎協にはその達成を後押し する強⼒な役割が期待されています。透析医療の第⼀線に⽴つ職能集団である⽇本透析医会は、全腎