淡路岛-兵库県.PDF

淡路島 の たまねぎ 教科書 淡路島たまねぎの教科書 　淡路島は、若狭や伊勢志摩とともに平安時代まで朝廷への海山の産物を納めていたことから、 「御食国（みけつくに）」と言われています。 　淡路島における農業生産の中心となる南淡路地域は、古くから稲作を中心に農業が継続されて きましたが、明治21年（1888年）にたまねぎ、明治33年（1900年）に乳牛（ホルスタイン種）が 導入されたことにより、野菜生産と酪農が飛躍的に発展しました。 　現在においても、水稲、露地野菜の生産と畜産を組み合わせた複合農業で大産地を形成し、平 成の代においても「御食国」として、京阪神地域をはじめ全国の消費地への食料供給基地として 大きな役割を果たしています。　 　このような大生産地になった背景には、たくさんの農家や技術者、販売業者、関係機関の努力 があったこと、多くの災難や社会情勢の変化などに立ち向かってきた歴史があります。これらの 経緯を、後世や消費者に伝えていきたい！という想いから、この冊子を作るに至りました。淡路 島たまねぎのほんの一部ですが、あらゆる情報を盛り込んでいます。この冊子を手に、ご家族や 消費者との会話を弾ませていただけると幸いです。 　これまでのたまねぎ栽培に関わった人達の想いを胸に、淡路島がたまねぎの産地としてこれか らも発展していきますようにと、願いを込めて... MENU たまねぎの原産地と日本への来歴 ……………… P 2 淡路島たまねぎの歴史 …………………………… P 3 たまねぎの一生 …………………………………… P 6 たまねぎ品種の遺伝資源 ………………………… P 7 たまねぎの品種 …………………………………… P 8 淡路島たまねぎはなぜ美味しい？………………… P10 淡路島たまねぎができるまで ………………… P11 淡路島たまねぎのあれこれ …………………… P12 未来へつなぐ、たまねぎ産地をめざして ! ………… P13 1 たまねぎの原産地と日本への来歴 　たまねぎの原産地は北西インド、タジキスタン、ウズベキスタン、天山の西部地域など中央ア ジアと推定され、そこから西へ広まったとされています。紀元前3千年には古代エジプトやメソポ タミア文明の時代に食用野菜として栽培されていました。ピラミッド建設の従事者が、たまねぎ を大量に消費していたと言われており、たまねぎの滋養強壮効果が科学的に証明される前から体 感されていたのかもしれません。 　たまねぎの品種分化はヨーロッパで進み、南ヨーロッパでは早生系統（甘たまねぎ）が、 東ヨーロッパでは晩生系統（辛たまねぎ）が発達しました。 　その後、16世紀以降にアメリカに導入され、全土に広がり亜熱帯から寒帯まで生態的に適応し 周年的供給が可能になりました。 　日本に食材としてたまねぎが持ち込まれたのは、江戸時代に南蛮船によってヨーロッパから伝 えられたのが最初と言われています。しかし、明治時代に生活が洋風化し始め、洋食が広まるま では普及しなかったようです。その後、明治4年に北海道で、明治17年頃には大阪でそれぞれ栽培 が始まりました。北海道では、アメリカから伝わった品種「イエロー・グローブ・ダンバース」 が「札幌黄」となり、また「イエロー・ダンバース」が大阪で「泉州黄」となり普及しました。 ルーマニア 辛たまねぎ ユーゴスラビア 東欧 甘たまねぎ 南欧 辛たまねぎ スペイン 日本へ フランス