常温保存可能品LL牛乳-厚生労働.pdf

常温保存可能品 （LL 牛乳）の大臣承認審査事項の見直しについて 平成 29 年 ３月 １．経緯 乳及び乳製品並びにこれ らを主要原料 とする食品については、食品衛生法 （昭 和 22 年法律第 233 号）第 11 条第 1 項に基づく乳及び乳製品の成分規格等に関 する省令 （昭和 26 年厚生省令第 52 号。以下 「乳等省令」とい う。）により規格 基準が定められている。 乳等省令上、厚生労働大臣の認定を必要とする常温保存可能品 （LL 牛乳）の 審査については、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部改正について」 （平成 23 年 ８月 31 日付け食安発第 0831 第 ５号）中の別添 「常温保存可能品の 審査事項 （以下 「常温保存可能品の審査事項」とい う。）」（参考 ２－ １）により 行われている。 今般、国内の生乳流通関係業者から、内閣府の 「規制改革ホットライン」を 通 じて、「常温保存可能品の審査事項の中には、今の酪農家、乳業メーカーの状 況にそぐわないものがあり、中でも、「搾乳から処理施設における受乳までの時 間が48 時間以内」とい う条件については、以下の点から見直しの必要性がある。」 との指摘があった。 ・現在の生乳の流通は、各酪農家が搾乳 した生乳が農協のクーラーステーシ ョンで合乳 され、乳業メーカーに運ばれているが、乳業メーカーが個々の 酪農家の搾乳 日を把握することは困難。 ・現在はバルククーラーの冷却、品質保持の機能が向上してお り、時代に合 わない。 その後、規制改革実施計画 （平成 28 年 ６月 ２日閣議決定）（参考 ２－２）に おいて、酪農家で搾乳 された生乳の衛生的取扱い、バルククーラーの冷却、品 質保持の機能の向上を踏まえると、常温保存可能品の原料乳を48 時間以内とす る規定は流通現場の状況にそぐわないことから、48 時間以上経過 した生乳につ いて、衛生状況を確保するための常温保存可能品の審査事項の見直 しを検討す ることが決定された。 以上を受け、厚生労働省においては、乳業団体に関係情報の提出を求め、そ の見直しの検討を行ったので、その概要について報告する。 ２．常温保存可能品 （LL 牛乳）について 常温保存可能品とは、連続流動式加熱殺菌や無菌充填等、商業的無菌を得る ための衛生管理を経た牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、 乳飲料であり、乳等省令上の牛乳等の保存基準である 10℃以下の保存を要しな いものである。流通市場では一般に LL （ロングライフ）牛乳の名称でも呼ばれ ている。常温保存可能品には各冷蔵品に適用 される成分規格に加えて、以下の 成分規格及び保存基準を設けている。 ［常温保存可能品の成分規格］ ○牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳 アルコール試験 （摂氏 30 度±１度で 14 日間保存又は摂氏 55 度±１度で ７日 間保存する前及び保存 した後において） 陰性 酸度 （摂氏 30 度±１度で 14 日間保存又は摂氏 55 度±１度で ７日間保存する 前及び保存 した後の差が乳酸 として） 0.02%以内 細菌数 （摂氏 30 度±１度で 14 日間保存又は摂氏 55 度±１度で ７日間保存 し た後において標準平板培養法で １ml 当たり） ０ ○乳飲料 細菌数 （摂氏 30 度±１度で 14 日間保存又は摂氏 55 度±１度で ７日間保存 し た後において標準平板培養法で １ml 当たり） ０ ［常温保存可能品の保存基準］ 常温を超えない温度で保存すること 常温保存可能品の審査事項においては、上記規格基準を満たすために必要 と 考えられる原料乳や製造に係る衛生管理について規定 してお り、その うち、原 料乳に係る審査事項は以下のとお りである。 ・ 搾乳から処理施設における受乳までの時間が 48 時間以内のもの ・ 搾乳後すみやかに冷却 し、処理施設における受乳までの間冷蔵 されたもの ・ 処理施設