断试験装置改良効果検讨.pdfVIP

リングせん断試験装置の改良とその効果の検討 地盤工学研究室 MAZRAN BIN ZAINONDIN 指導教官 杉本 光隆 豊田 浩史 1.はじめに リングせん断試験装置は残留強度を測定する ために開発された。残留強度とは土に大変位が 力 起こった後、最大せん断応力より小さく、かつ 応 断 ん 一定の値に落ち着いたせん断強度をいう（図１ せ 残留強度τr 参照）。この装置は若干の改良によりその測定精 度も向上し、研究はもとより実務でも用いられ 変位 ている。ここでは、リングせん断試験装置の改 図１ 残留強度 良とその効果について報告する。 2. リングせん断試験装置の特徴 Normal force 試験装置の基本的な構造は、上下に重ねたリ Upper ring ングで環状供試体を外側と内側の両方から拘束 Shear force し、土に垂直応力を作用させながら、円周方向 にせん断力を加えるものである。繰返し一面せ ん断とは異なり、連続的に大変位を与えること Lower ring ができるため、せん断面の状態を原位置に近い 状態で再現できる。また、せん断中に供試体の Slip surface 断面積が変わらないことから地すべりでの残留 図2 リングせん断試験の原理 強度を求めるために使われる。 3.改良前のリングせん断試験の問題点 フリクション測定用 本研究室にはBishop1)が考案したリングせん ロードセル 断試験装置を参考して新たに製作したリングせ トルク測定用ロードセル ん断試験装置がある。しかし、このリングせん 断試験装置にはいくつかの問題点が挙げられる トルク伝達用アーム （図3 参照）。以下にその問題点を示す。 周面リング ・周面リングの摩擦が大きい。 供試体 リングせん断試験装置では供試体が常に周面 リングに拘束されているため、供試体と周面リ 有効鉛直応力とトルク ングとの間に摩擦が生じる。この摩擦が大きい 測定用ロードセル