日本鍼灸の特徴-形井秀一-日本筑波技术大学.pdf

日本鍼灸の特徴

筑波技術大学名誉教授

形井秀一

現代日本で行われている鍼

•鍼の基礎：『霊枢』九鍼十二原篇の九鍼の３

機能、とそれを応用した治療技術

•正式には、562年に呉の知聡が仏典と伴に日

本に伝える

•１６～１９世紀、室町時代～江戸時代に日本

的に変化

•さらに、1900年代以降の西洋科学や西洋医

学の影響を受けて現代的に変化

鑑真が日本へ東洋医学と仏教を伝える

753年（65歳）に薩摩に上陸、失明していた。

鑑真和上像（国宝）

唐招提寺金堂（鑑真建立）

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日本鍼灸の特徴を述べる視点

1.治療法の違い

2.理論の違いや思想の違い

3.鍼灸の道具の違い

4.中医学や韓医学との比較

現代日本の鍼灸の理論

1.古来から行われている古典理論に則る鍼灸

治療、

2.現代的な物理的刺激で、効果的な生体反応

を惹起させようとする鍼灸療法

3.両者を折衷した鍼灸療法

4.現代中医学を導入した鍼灸療法

5.専門分化した鍼灸療法

現代日本の鍼灸治療理論

現代日本鍼灸の実態調査、社会鍼灸学研究、2011;(6)：1-8.

現代日本の鍼の分類

1.部位別分類：

頭鍼、耳鍼、手鍼、皮内鍼、

２．刺激の与え方の違いによる分類：

接触鍼、置鍼、単刺、雀啄鍼、低周波鍼通電療法、

打鍼法、灸頭鍼、皮膚表面電気刺激治療（SSP）、

３．治療の考え方の違いによる分類

圧痛点療法、阿是穴療法、刺絡法、良導絡、トリ

ガーポイント療法、小兒鍼

日本の鍼灸の特徴

1.微細な刺激の工夫

・刺激量（道具、刺激方法、刺激部位の感受

性）を小さくする努力をする。

２．切診を重視する

・「病態把握、刺激部位の決定、刺激量の決

定、治療効果の評価」の全過程で、触診を

重視する。

１．日本の鍼の特徴

刺激が微細である

道具の違い

•日本で最もよく使用される鍼は、

直径0.16～0.20㎜である。

•中国は、0.35㎜前後

•韓国は、中国と日本の中間の太さ

何故、日本の鍼は細くなったか

•日本人の敏感な体質に合わせた？

•400年くらい前に鍼の大衆化

↓

•普及のために鍼の刺激量を尐なくする

↓

•鍼が細くなる方向へ

↓

•痛くなくさす工夫が必要

↓

•管鍼法の考案：300～350年前

↓

現代は、その傾向がさらに加速している。

江戸時代の代表的刺鍼手技

『鍼灸要歌集』安井昌玄著、1695年

管鍼法

撚鍼法

打鍼法

管鍼と打鍼

鍼の道具入れ打鍼

竹で作った鍼管

刺激方法

1.皮膚のみの擦過

2.単刺（目的の深さに刺入して、抜針する）